秋ですね。秋といえば、子どもが喜ぶ「まつぼっくり」の季節。
前に「どんぐりを使った工作」を紹介しましたが、今回は「まつぼっくりを使った工作」を紹介したいと思います。どんぐりよりも、大きく扱いやすいので、我が娘のような不器用さんにもおすすめです。
まつぼっくりが落ちていると拾いたくなるのが、子どもの心理。「なんで拾ってくるの?」「また、拾ってきて~」と言いたくなるかもしれませんが、言わないであげてくださいね。拾ってきたあと、どうすることもできないから、拾ってきてほしくないと思っていませんか。
拾ってきた「まつぼっくり」、簡単に工作できます!
今まで、教員時代に子どもたちと楽しんできた「まつぼっくり工作」を紹介したいと思います。小学生と実践してきたものですが、幼児でもできる簡単なものもあるので、お子さんの年齢に合わせてアレンジしてください。「拾ってきたものの、どうしていいか分からない」「家の中にまつぼっくりがたまっていく~」というお悩みをおもちの方、ぜひ活用してみてくださいね。
【はじめに】まつぼっくりを拾ってきたら…はじめにやること
まつぼっくりを拾ってきたら、まず洗いましょう。ここで、ぜひ子どもと一緒にやってほしいことがあります。
洗う前のまつぼっくりを、しっかり観察すること!
まつぼっくりを拾ってくるのは、おそらく晴れの日。拾ってきたまつぼっくりは乾燥しているはずです。その乾いているまつぼっくりを、水にぬらすとどうなるか…
おもしろいことが起こります!
開いていたまつぼっくりが、シュ~っとしぼむんです。水にぬらしたときの変化をぜひ子どもと観察してほしい!子どもの「なんでだろう?」に耳を傾けてみてくださいね。
ここからは、種明かしです。
問い)なぜ、まつぼっくりは水にぬらすとしぼむのか。
答え)松の種は、まつぼっくりの間にはさまっています。(これも、ぜひ開いたまつぼっくりで観察してみてください)種には薄いプロペラのようなものがついていて、晴れた日には風にのって、遠くまで飛んでいけます。でも、雨にぬれてしまうと、重くなって飛ぶことができません。そのため、雨にぬれないように、雨の日にはまつぼっくりは自然と閉じるようなしくみになっているんです。
まつぼっくり、すごくないですか!?
教員時代、クラスの子どもたちと「まつぼっくり、すごい!」と感動した思い出があります。ぬらしてすぐにしぼむものもあれば、ある程度水につけておかないとしぼまないものもあるので、水につけおきしておくと変化が分かりやすいと思います。
ぬれたまつぼっくりは、新聞紙の上などで乾かしましょう。乾けば、また開きます。
まつぼっくり工作① まつぼっくりで簡単けん玉
紙コップとひもでできる「簡単けん玉」。
① まつぼっくりにひもまきつけて、結ぶ。
② まつぼっくりに結んだひもの先を、紙コップにくっつける。
③ まつぼっくりに好きな色をポスカでぬる。
ひもを紙コップにつけるときは、セロテープやビニールテープ、カラーガムテープなどでとめます。セロテープだと少し弱いかもしれません。
紙コップにひもをつける場所ですが、紙コップの横につけてもいいし、紙コップの底に穴をあけてひもを通してくっつけてもOK。はじめから、大人が「ここにつける」と教えるのではなく、子どもの好きなようにつけさせてみましょう。いろいろ試しながら、一番やりやすい場所を見つける方が、子どもは試行錯誤します。
遊び方は、紙コップをもって、まつぼっくりを紙コップの中にいれて遊びます。とってもシンプルだけど、意外とむずかしい。大人でもなかなか入らないこともありますよ。ひもの長さを変えてみたり、まつぼっくりの大きさを変えてみたり、いろいろ試してみるとおもしろいですよ。
まつぼっくり工作② まつぼっくり人形
まつぼっくりに目だまシールをつけて、人形を作ります。
手足をつけて動物にしてもいいし、想像の生き物を作っても楽しいです。目さえあれば、それだけで人形っぽく見えてしまうので、あとは子どもの好きなように作らせるのが〇。毛糸で髪の毛を作ったり、まつぼっくりをいくつか合体させて大きな生き物を作ったり、うまく竹串などを使って組み合わせてもいいですね。
目玉シールは「どんぐり工作」でも紹介しましたが、100均で買ってくることもできるし、小さいサイズの丸いシールに目を描き入れてもOK。自分で目を描く方が表情豊かに仕上がります。まだ、細かい作業は苦手…という子には、目玉シールが便利です。
小さいサイズの丸いシールとは、こんな感じのシールのことです。
まつぼっくり同士をくっつけるときは、ボンドでもいいのですが、乾くまでに少し時間がかかります。乾くまでずっと持っているのはむずかしい場合や、固定しておくのがむずかしい場所には、グルーガンがおすすめです!
グルーガンとは、グルーと呼ばれるスティック状の樹脂を熱で溶かして接着するものです。
100均でも売っているのですが、液だれします。使いやすさは100均じゃないものの方がいいですね。お試しで使ってみる場合には100均でもいいかもしれません。どちらにしても、ひとつ買っておくと便利ですよ。
すぐに冷えて固まるので、接着したい部分につけてとめるだけで、固定されます。ただ、熱で溶かした樹脂でとめていくので、ちょっと触ってしまうだけで簡単にやけどします。わたしも、何度かやけどしました。置く場所や使い方には十分注意してくださいね。
まつぼっくり工作③ まつぼっくりネックレス
どんぐりネックレスのまつぼっくりバージョン。おしゃれ好きな子は喜ぶと思います。
① まつぼっくりに飾りをつけたり、色をつけたりする。
② まつぼっくりにひもを結びつける。
まつぼっくりの飾りは、ビーズやラメなどをつけるときれいです。色をぬるときは、ポスカが発色よく、子どもでもぬりやすいのでおすすめです。
まだ、これは試していないのですが、今年試してみようと思っている「マグネット式ネックレス」。ひもを結びつけるのではなく、マグネットでひもとまつぼっくりをつけたりとったりできるようにしたらどうかな。と思っています。まだ、やっていないので、成功するかどうか。やってみて、よかったら紹介しますね。
まつぼっくり工作④ まつぼっくりクリスマスツリー
クリスマスのシーズンにぴったりなのが「まつぼっくりツリー」。まつぼっくりをもみの木にみたてて、飾りをつけます。
① まつぼっくりにスプレーで色をつける。
② まつぼっくりにビーズなどでかざりをつける。
③ まつぼっくりツリーを台に固定する。
まつぼっくりに色をつけるときに、ポスカでコツコツぬっていってもいいのですが、カラースプレーを使うとあっという間にきれいに色がつきます。
カラースプレーは匂いが強いので、屋外に新聞紙を敷いて、まとめてスプレーするといいですよ。カラースプレーは100均でも購入できます。次に紹介するリース用のまつぼっくりもまとめて、色をつけてしまうと、楽です。色はお好みで選んでください。おすすめは、クリスマスカラーの緑や赤、金や銀もきれいです。
もちろん、色をつけなくてもOK。まつぼっくり、そのものの色を楽しみたいという子は、そのまま飾りつけしてください。
まつぼっくり工作⑤ まつぼっくりリース
小学校の教員時代に、よく秋に作っていた「まつぼっくりリース」。学校では、さつまいものつるをリースの元にしていました。もし、おうちでさつまいもを育てている方がいたら、つるをリース型にして乾かしておけば、そのままリースになります。
でも、おうちでさつまいもを作っている方は少ないですよね。
そこで、おすすめなのが、ダンボール!ダンボールをリース型にカッターで切りとるだけ。〇を描くのが大変なときには、家の中のまるいものを探しましょう。大きさの違う2つのまるいものの周りをさぞれば、きれいな二重の〇が描けます。ガムテープとセロテープ、ボールの大・小など。ちょうどいいリースの大きさになりそうなものを、子どもと一緒に探すのも楽しいですね。
① リース(ダンボールリース)を作る。
② リースの上に、まつぼっくりをつけていく。
③ まつぼっくり以外の飾りをつけていく。
④ リースにひも(リボン)をつけて、飾れるようにする。
まつぼっくりの自然の色のままがいい!という場合には、カラースプレーは使わずに、そのままのまつぼっくりを使いましょう。どんぐりや落ち葉などを貼っても、秋らしいリースに仕上がります。
まつぼっくりや飾りをリースにつけるときにも、グルーガンは便利です。ダンボールリースの上にのせていく場合には、ボンドでもOK。平らなので、ボンドでもくっつきやすいと思います。
家の中に飾るのに落ち葉はちょっと…と気になる方は、折り紙や画用紙などで秋らしいものを作って、リースに貼ってもいいですね。あるものを使って、すてきにアレンジしてみてください。
【まとめ】まつぼっくりを捨てるのはもったいない!見た目もかわいい作品ができる
まつぼっくりを使った工作の代表的なものを紹介しました。これ以外にも、いろいろな工作ができると思います。たくさんのまつぼっくりが集まったら、「どんぐり工作」で紹介した「宝探し」をしても楽しいですね。
まつぼっくりで工作をし始めると、子どもの想像力がふくらみ、「こんなこともできるかも!」と新しい遊びを作りだしたりするもの。
作り方や遊び方も、子どもにお任せした方が自由に遊び始めることも多いです。その代わり、親は、子どもが困ったとき、子どもが助けを求めてきたときに、そっと手助けしてあげたり、アイデアを出してあげたりするだけでOK。子どもは「楽しい」し、親は「楽(らく)」ですよ。
まつぼっくりは、どんぐりと比べると大きさも大きいので、不器用さんでも扱いやすいと思います。そして、何より(まつぼっくりの形がすばらしいのか?)不思議と見栄えのいい作品に仕上がります。
この秋、まつぼっくりで工作してみませんか。買ってきたクリスマスの飾りもいいけれど、手作りの飾りも味わいがあってなかなかいいものです。
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