たくさんの子ども向け月刊本が出ていますが、どれを選んだらいいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。以前「おとぎ話におすすめなもの」をお伝えしたことがありましたが、今回は「子どもの好奇心が育つおすすめ月刊絵本」を紹介したいと思います。
おとぎ話が気になる方はこちらをご覧ください。
【はじめに】「かがくのとも」ってどんな絵本なのか
「かがくのとも」という絵本を知っていますか。もしかしたら「聞いたことがない」という方もいるかもしれません。または、図書館や学校、幼稚園や保育園で見たことがあるという方もいるかもしれませんね。
知る人ぞ知る絵本ですが、簡単にどんな絵本なのかを説明したいと思います。「かがくのとも」は1969年に世界で初めての「月刊科学絵本」として誕生した歴史のある絵本です。たくさんの絵本を出版している福音館書店が発行しています。
子どもたちの身の回りのことすべてが「かがくのとも」のテーマ。身近な植物、動物、モノ、現象を事実の羅列ではなく、ストーリー性も大切にして、子どもたちに伝えます。自然、人間と生活、遊びの3つの視点から、子どもたちの発見の喜びや驚きを応援します。
福音館書店HPより
実は、この「かがくのとも」は、1969年に誕生して以来50年以上の歴史をもっています。通算600冊以上が出版され、2019年には50周年の記念イベントも開催されました。
また、海外でも20言語、149タイトルが翻訳出版されている「グローバルな絵本」ともいえます。旅行先の国の本屋さんで知っている本を見かけることがありますが、この「かがくのとも」の絵本でした。
では、なぜ「かがくのとも」がおすすめなのか、そのおすすめ理由を具体的に説明していきたいと思います。「月刊本選びに興味のある方」「科学好きな子に育ってほしいなと思っている方」「本は読ませたいけど何を選んでいいのか悩んでいる方」は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
その① ハードカバーよりも薄くて、値段も安い!
福音館書店から出ている「かがくのとも」シリーズ。対象は5~6才となっています。「かがくのとも」は月585円(本代440円+送料145円)、一年購入だと7080円とお得になります。普通に絵本を買うよりも安いですね。
そして、絵本の収納で困るのがかさばること。「かがくのとも」は、ソフトカバーと言われるもので、とにかく薄い!一冊3㎜くらいの厚さです。冊数が増えてもそれほど場所をとりません。
一応、たておきできるように背表紙に題名が書いてはありますが、これは学研の月刊本に比べると少し見にくいです。学研本に比べると、厚さが薄いということになります。本棚に収納するときには、表紙が見えるような置き方にした方が子どもには分かりやすいかもしれません。
薄いということは軽いです。読み聞かせをしても、子どもが一人読みしても、腕が痛くなりません。持ち運びも楽です。
その② 科学本だけど、物語調で読みやすい!
「科学」って聞くと、なんだか難しそうなイメージをもつ方もいるかもしれません。でも、この「かがくのとも」は、どれも物語調に書かれているので読みやすい。それが、長く読み継がれている理由のひとつかもしれません。
「科学絵本」と聞くと、ちょっと…と思ってしまう方もいるかもしれませんね。でも、文系のわたしが読んでもおもしろい内容です。「科学」といっても、子どもの身の回りの物事がテーマなので、むずかしい内容のものはありません。
読み聞かせする大人の立場からも、読みやすいです。子どもと一緒に読みながら、自分も知らないこともあって、「へぇ~、そうなんだ」と新たな発見ができます。
また、図鑑と違うところが挿絵。写真とは違った味わいがあります。中には、本物そっくりに描かれた挿絵もあれば、子どもが分かるようにシンプルに簡略化された描かれた挿絵もあります。それが「科学ものの図鑑」とは違うよさなのかもしれません。子ども目線で作られている絵本だということがよく分かります。
その③ 好奇心の種を撒く内容!
「かがくのとも」は、身近なことがテーマになっています。植物、動物、宇宙、数字、身体、衣食住など、子どもの興味をもつものがたくさん出てきます。普段、何気なく使っているもの、見ているものに「あれ?」と興味をもってみる。それが「科学」に興味をもつきっかけになるのかもしれません。
そもそも、子どもっていろいろなことに「あれ?」って興味をもつもの。大人からしたら当たり前のことに「なんで?」「どうして?」と聞かれて、困った経験がある方も多いのではないでしょうか。「なんでって言われてても…」と答えに困ること、ありますよね。その疑問が、子どもの好奇心の種なんだということを教えてくれる絵本でもあります。
この「かがくのとも」をきかっけに興味をもったことを、ほかの本でも調べてみたり、実際に実験してみたりすることにつながっていく。好奇心の種を撒いてくれる絵本です。
その④ 多角的な視点を育てる!
大人になってしまうと「当たり前」だと感じていることでも、子どもにとっては「不思議」がいっぱい。その「なんでだろう」の気持ちを大切に作られている絵本が「かがくのとも」です。当たり前ではなく、「あれ?なんで?」という視点をもって、物事を眺める。それが、多角的な視点を育てることにつながるのではないかと感じます。
うちの娘も「風ってどこから来るの?」とか「ナスの葉っぱにとげがあるのはなんで?」とか身近なことに疑問をもつことが多くあります。この「かがくのとも」に出会う前は「う~ん、なんでだろうね」で済ませてしまったこともありました。
でも、この「かがくのとも」に出会ってからは、「一緒に調べてみようか」と声をかけるようになりました。もちろん、手持ちの絵本では解決できないこともたくさんあるのですが、「分からないことは調べてみる」という姿勢が大事だと気づき実践しています。
その⑤ 世代を超えて楽しめる!
この科学絵本のすごいところ。これが、何世代も超えて楽しめる、読み継いでいくことができるところです。
実際に、うちにある「かがくのとも」は、わたしの母親が購入したもの。歴史のある絵本たちが、今も現役で活躍しています。
「科学」というと、時代とともに進化しているイメージがありますが、内容は今の時代でもまったく違和感なく読むことができます。子ども向け絵本だからなのでしょうか。子どもに伝えたい大切なことは、今も昔も変わらないのかもしれませんね。
実際に、わたしが子どものころに読んでいた「かがくのとも 185号」の「かみコップでつくろう よしだ きみまろ さく」で紙コップ工作をしてみました。気になる方は、こちらをご覧ください。
子どもが夢中で作っていて「おうち遊び」にもぴったり!昭和の遊びですが令和でも通用します。時代を超えて楽しめるのも、この「かがくのとも」のすばらしさだと思います。
気になるバックナンバーは購入できるものもあります。また、人気のあるものはハードカバーで出版されているので、それを購入するのも可能です。
【まとめ】時代を超えた「かがくのとも」は読んでみる価値あり。
実際に小学校の先生や幼稚園の先生たちが、「自分の子どもに定期購読していたよ」という話をよく聞きました。みなさん声をそろえて「かがくのともはいいよ~!」と言っています。
かくいうわたし自身も「かがくのとも」で育った一人。残念ながら科学の道には進まなかったものの(バリバリ文系)、いろいろなものに興味をもったり、違った角度から物事を考えたりすることにはつながっているのかなぁと思います。そして、自分の子どもにも「読ませたい!」と思う絵本です。
自分ではなかなか選ばないジャンルも多い「科学絵本」。どんなものがいいのか悩むこともあると思います。親がいいと思ったものが、必ず子どもも興味をもつとは限りません。子どもがどんなものに興味をもつのか分からない「幼児期」だからこそおすすめしたい!
それが「かがくのとも」です!
「絵本」といえば「物語」や「おとぎ話」と連想されることも多いですが、「こんな絵本もあるんだよ」と子どもに伝えるのにぴったりな「科学絵本」。「科学絵本」を探しているのなら「かがくのとも」がおすすめです。
「かがくのとも」は5~6才向けとなっていますが、3~5才向けの「ちいさな かがくのとも」や小学校3年生~の「たくさんのふしぎ」シリーズもあります。「ちいさな かがくのとも」は月585円、「たくさんのふしぎ」は月920円となっています。興味のある方は、そちらも検討してみてもいいかもしれませんね。
本好きな子に育てたい方はこちらもぜひご覧ください。
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