子どもが自主的に勉強するようになる5つのステップとは…

小学校

「うちの子、まったく集中力がなくて…」

「落ち着きがなくて、座っていられない」

「家では机に向かえないのは、どうしたらいいだろう」

小学校の教員時代、よく相談を受けました。実際に、教室でも座っている姿勢を保つのがむずかしいお子さんもいました。でも、1年間じっくり時間をかけてサポートしていくことで、少しずつ改善する子も多かったです。

そんな経験の中から「わたし自身が実践していたこと、おうちでもできること」を今日は「5ステップ」にまとめてお伝えしたいと思います。

集中力がなくて…とお悩みの方、この「5ステップ」の中で実践できそうなものがあれば、参考にしてみてくださいね。

【ステップ①】集中しているときを見つける

集中力は、学習場面だけに見られるものではありません。夢中になって何かに取り組んでいるとき、それが集中しているときだといえます。

じっとしていることだけが集中しているわけではないんです。

まずは、何をしているときに集中しているのかを観察することから始めましょう。たとえば、読書、絵を描く、工作をする、手遊びをする、シュートをうつ、なんでも構いません。

何かに夢中になれるものを探すこと、それが見つかれば集中力はあるといえます。どのくらい集中できるのか、集中している時間も観察してみることをおすすめします。それが分かると、集中力がどのくらい続くのかを把握することができるからです。

【ステップ②】集中しているものを「机」でやってみる

集中しているもの、夢中になれるものが見つかれば、それを机の上でやってみます。いつもは、ソファーの上、ベッドの上などかもしれませんが、場所を机の上に変えてみるだけです。勉強机でもいいし、リビングの机でもOK。

スポーツや体を動かすときに集中している子は、机でやってみることはむずかしいので少し工夫が必要になります。たとえば、サッカー好きの子ならサッカーの本を読んでみるなど、興味をもちそうなものを机の上でやってみる時間を作ります。

机に向かって好きなことに集中できるなら、集中力はすでについていることが分かります。

でも「好きなことだからできるけど、これが勉強だとできない」という声をよく聞きます。それは、勉強が楽しくないからなのでしょう。せっかく集中力があるのに、勉強になると「楽しくない」。楽しくないから「やらない」。とても分かりやすい心の働きです。

【ステップ③】集中しているものの前に15分課題をやる

「宿題や勉強になると、どうもやる気が起きない」という子は、困っているサインかもしれません。集中力とはまた違った理由があるかもしれないので、気をつけてみてあげてください。

机に向かって好きなことができる場合、課題は「楽しく学習できるもの」からスタートするといいですよ。慣れるまでは、隣に親が座って一緒に課題をやったり、読書をしたりするのもおすすめです。

簡単にできるもの、自信をもって取組むことができるもので学習習慣をつける方が結果うまくいくことが多いです。せっかく机に向かう習慣がついても、「勉強=楽しくないもの」であれば、集中できません。

前の学年の復習や百マス計算など、簡単にできそうなものを選んで、まずやってみる。できそうなら続けてみる。その繰り返しで、知らず知らずのうちに、学習面でも集中できるようになります。

子どもの集中力は15分くらいだといわれています。まずは15分を目標にするといいでしょう。はじめから15分はむずかしい子は、百マス計算5分チェレンジなどもおすすめですよ。

課題に取り組む場合は、必ずやりたいことや好きなことをやる前に時間をとりましょう!課題に15分取り組んだら、好きなことをやって休憩!とした方が子どもはがんばれます。

【ステップ④】15分ごとに5分休憩をはさむ

15分座って課題に取り組むことができるようになったら、次は30分!

延長したくなるのが親心ですが、連続するのはあまりおすすめしません。もともと集中力がある子は、その子のペースで休憩をはさんでいけばいいと思いますが、ようやく15分集中して課題に取り組めるようになった子にとって、「じゃ、次は30分!」などと延長されたら「え~!無理~!」ってなります。一気にやる気がなくなることも。

15分たったら5分休憩、休憩時間は好きなことをしていい。というように、途中でお楽しみ時間を入れることで、モチベーションを保つことができます。

【ステップ⑤】タイマーをうまく使う

時間の感覚は人それぞれ。親がずっと見張っているのも、子どもにとってはあまり心地よいものではありません。15分机に向かう習慣がついてきた子は、タイマーもおすすめです。

15分でタイマーをつけて、課題に取り組む。5分間タイマーセットで休憩。この習慣は、中学校以降の試験勉強や受験勉強などの自主学習にも有効です。

時間の感覚がつかみにくいお子さんには、残り時間が分かるタイマーもありますよ。教員時代、学校でも使っていたことがあります。視覚で残り時間が分かるので、子どもには分かりやすい教具です。

【まとめ】楽しいことなら集中できる!そんな子は集中力がある子です。

新しいことを学ぶことは、楽しいこと。でも、成長の過程で、分からないことや苦手なこと、理解に時間がかかることに出会い、残念ながら勉強がつまらないものになってしまうこともあります。

今まで「集中力がない」と相談を受けた子の多くは、実際は集中力はあるけれど、それが学習面には向かないという子でした。「分からない」「つまらない」「面倒」など一人ひとり「学習することへのイメージ」はさまざまでしたが、共通してマイナスのイメージでした。

でも、分からないことが分かるようになれば「できた!」とうれしくなり、できるようになることが増えると「もっとやりたい!」と前向きな気持ちになるものです。

「集中力があるけれど、勉強だと集中できない」という場合、その原因を探してあげることが近道です。環境なのか、分からないところがどこなのか、そこをクリアしてあげることで、学習にも集中して取り組むことができるようになることがあります。

「うちの子は集中力がないから…」と決めつけてしまうのではなく、まずはじっくり観察をしてみてください。

そして、どこに原因があるのかが分かれば、そこをサポートしてあげること。子どもの視点で考えてみること。「できた」という成功体験を積み重ねていくこと。

まったく学習に意欲を示さなかった子が、ちょっとしたきっかけで集中して学習に取り組むようになった事例もあります。

忙しい毎日の中で、時間がとれないという方もいると思います。お仕事がお休みの日だけでも大丈夫。少しずつ時間を作って積み重ねていくことが大切です。無理のない範囲で、できることから!

プロフィール
ぶあ
ぶあ

教育コンサル・アドバイザー/WEBライター/チャイルドコーチ
10年以上の小学校教員経験&コーチングを活かした子育てを実践しながら、その経験をもとにコーチング子育て、おうちで使えるコーチング法など、オリジナルメソッドを公開中。現役時代には発信できなかった「教師の本音」、若い先生たちに伝えたい「ちょっとしたノウハウ」を伝授!
子育ても生き方も、もっともっと自由でいい!まわりの「ものさし」に合わせるのではない、肩の力をぬいた「子育て」「教育」が必要☆
旅大好きな昭和アナログ世代。結婚して子どもが生まれても、旅人魂は変わらず。夢は「旅するように生きること」。

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