「生きるのがしんどい」
「先が見えない不安」
「何のために生きているのか分からない」
そんな悩みをもっている人が増えているように感じます。
実は、わたしも…ロボットのように働いて、毎日「もう無理」と思いながら体にムチ打って出勤していた時期がありました。
「働く意味はお金のため」
「つらいけど、仕事を辞めたら生きていけない」
と、本気で思っていました。
そんなわたしに「休んでいいよ」と教えてくれたのは、体の異変でした。体の異変のおかけで、ようやく立ち止まること、休むことができたんです。
最近、よく報道で「一人で抱え込まないで。周りに助けを求めましょう」と呼びかけていますね。でも、「負のループ」に入り込んでしまった人の多くは、助けを求めたくても求められない、立ち止まりたくても止まれない、「壊れた絶叫マシーン」状態なのではないかと思います。少なくとも、わたしはそうでした。
もしかしたら、身近な人の中にも、家族の中にも、友だちの中にも、会社の中にも、そんな止まらない絶叫マシーンに必死にしがみついている人がいるかもしれません。そんな大変な状況だということに、周りの人は気づけないかも。
そんなとき、ふと手にとれる場所に、こんな本があったら…。
これから紹介する本は、教員時代にわたしが教室で読み聞かせをしたり、道徳の教材として使ったりしたものです。
「絵本は子どものもの」と思っている方もいるかもしれません。でも、絵本は大人が読んでもはっと気づかされることがあったり、勇気をもらえたりするもの。特に、精神的に弱っているときには文字の多い自己啓発本よりも、絵本の方が読みやすいし、ス~っと心に入ってくることがあります。
大人も子どもも、絵本を通して「いのち」について考えることで、負のループの出口を見つけることができるかもしれない。実際に、わたしもそのとき出会った「本」をきっかけに「負のループ」を断ち切り、壊れた絶叫マシーンを無事に降りることができました。
もはや、いつ誰が「負のループ」に入り込んでしまうか分からない時代。誰もが「壊れた絶叫マシーン」と隣り合わせだともいえます。だからこそ、「家族の誰もがすぐ読めるところに置いておきたい絵本」「子どものときから読み聞かせをしておきたい絵本」を5冊を、今日は紹介したいと思います。
「いのち」について考える絵本を通して、悩んでいる方の心が少しでも軽くなりますように。今は悩みがない方も「いのち」について考えることで、自分のことをもっと大切し、近くにいる大切な人にもっとやさしくなれますように。
いのちって目に見えるのだろうか?
全盲のお母さんの出産と子育てを通して、「いのち」について考える絵本。
いのちが見えるってどういうことだろう? 何度読んでも、感動します。この「いのちは見えるよ」は、妊娠や出産について学ぶときに読み聞かせをしていました。「いのちの誕生」を伝えるときにもおすすめです。
全盲のお母さんを通して、いろいろな状況や立場にたって物事を考えるきっかけにもなります。「じぶん」のことしか考えられない「負のループ」、違った立場の人の存在を知ることで、ちょっと気持ちに変化が出てくるかもしれません。
「だいすき」な気持ちはたくさん伝えよう!
大好きな気持ちをなかなか直接伝えられていないという方もいるのではないでしょうか。そんな方におすすめな一冊。子どもには「言葉」で伝えることが、とても大事です。「わざわざ言わなくても」ではなく、子どもは「だいすきだよ」と伝えてもらうことで愛されていると実感できるものです。
小さいときから「大好き」だという言われ育った子は、自分を大切にする気持ちが育ちます。自分を大切にできる子は周りの子も大切にできます。これは大人も一緒ですよね。身近な人に恥ずかしくて伝えられないときには、この本を。「あなた」を名前にかえて読み聞かせをしてみてもいいですね。
自分の「いのち」も自然の一部
小学校6年生の教科書にも載っています。父の命をうばった、巨大な魚を追うために漁師になった主人公の話。
個人的には絵本で読むことをおすすめします。教科書だとどうしても教材になってしまうので、絵本で読むとまた違った印象がえられますよ。
「いのち」について考えるとき、どうしても「人間」の中でしか考えられなくなってしまうことがあります。でも、この「海のいのち」を読むと、もっと大きな視点で考えることができるようになります。「自然」の中の「じぶん」や「いのち」について考える。「じぶん」の「いのち」は、「じぶん」だけのものではないと、はっとさせられる一冊です。
「いのち」の連鎖から「じぶん」を見つめる
これは、子どもたちが大好きだった絵本。中にしかけもあって、楽しく読める一方で、大切なことを教えてくれる本でもあります。
自分の「いのち」はここにくるまでに、たくさんの「いのち」がつながっていることを視覚的に感じることができます。たくさんの「いのち」の連鎖があって、今の「じぶん」がいる。それって、とっても奇跡的なこと。つないできた「いのち」をこれからどう生きるか。普段はまったく意識していないことに気づかされます。
「いのち」ってどこにあるのだろう?
100歳を超えても現役の医師として医療に携わり、105歳で旅立たれた日野原先生の絵本。日野原先生は、「いのち」についても、たくさんの著書を残されています。
この「いのちのおはなし」でも、「いのち」とは限られていること、だからこそ有意義に使わなくてはならないことが書かれています。「いのちってどこにあるのだろう?」という問いを、親子で一緒に考えてみませんか。
大人が読むと、残りの生き方について考え直すきっかけになるかもしれません。
【まとめ】絵本は子どものものだけではない!いつでも手にとれる場所に「いのち」の絵本を。
つらいときに、誰かに相談できれば、どんなにいいでしょう。
でも、つらい人の多くは自分から「つらい」と発信することさえ、むずかしい状況なのではないでしょうか。そうなると、やはり周りにいる人が、「つらい」人の「つらさ」に気づいてあげることが大切です。
「大丈夫?」「どうした?」のひとことで「つらさ」を伝えるきっかけができるかもしれません。悩んでいる様子に気づいたら、そっと絵本を渡してあげるだけで、こころが救われるかもしれません。
絵本は子どもだけのものではない!
つらいときだからこそ、難しい本よりも「絵本の絵と言葉」がこころに響くことがあります。
つらいことがあったときでも「いのち」を大切にできる子に育てたい
そのためにも絵本は有効だと思っています。
日頃から、家族の手の届くところに「いのち」の絵本を置いておきませんか。子どもと一緒に読み聞かせをしたり、時間があるときに自分が読んだり、家族や友人にすすめたりすることで、家族や身近な人、そして、自分のこころの変化にも気づくことができるかもしれません。
「いのち」について考える絵本を通して、悩んでいる方の心が少しでも軽くなりますように。今は悩みがない方も「いのち」について考えることで、自分のことをもっと大切し、近くにいる大切な人にもっとやさしくなれますように。
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