もうすぐ春休み。一年間の成長を振り返り、次の学年への準備をする大事な時間ですね。
とはいえ、夏休みや冬休みと違って、宿題が出るわけでもないので、何もせずに過ごしてしまうという子も多いのではないでしょうか。
でも、実は、春休みは心と体の準備をするのに、とても大事な時間です!
今日は、春休みの過ごし方ひとつで、新しい学年のスタートが気持ちよくきれることもあります。特に、不安感の強いお子さんや前の学年で何かモヤモヤが残っているお子さんにとっては、この春休みは気持ちを切り替えるために、とても重要!
また、毎年何もなく過ごしている…というお子さんには、ちょっとした工夫で、」やる気や前向きな気持ちがうまれてくるかもしれません。
ぜひ、春休みの過ごし方の参考にしてみてくださいね。
小学生の春休みの過ごし方① 一年間の成長をふりかえる
子どもにとって、一年間の成長をふりかえるのにぴったりな時期が、この春休みです。自分自身の成長というのは、あまり気づきにくいもの。まわりから見ると「ずいぶん成長したなぁ」と思うことでも、本人には自覚がないということも多いです。
そんな自分自身の成長を自分なりにふりかえることで、「あ、自分も成長しているんだな」「一年間でこんなにできることが増えたんだな」などと、自分自身を肯定的に受け止めることができるようになります。
一年前のノートを一緒に見直したり、一年間で学習した漢字ノートを見たり、作品をふりかえったり、または行事の写真を見ながら思い出を話したりしてもいいですね。一年前の自分と今の自分を比べてみる。それだけで、どんなところがどんな風に成長したのかを実感できることでしょう。
もしかしたら、子ども自身は一年前の自分の姿を忘れてしまっているかもしれません。そんなときは、「一年前の今ごろって、こうだったよね。こんなことしていたよね」と、一年前の様子を少し話してあげるといいですよ。思い出せなくても、「あ、そうだったんだぁ」と自分の成長を感じることができるはずです。
学習面だけでなく、生活面で成長したことも、ぜひふりかえってみましょう。「忘れ物が少なくなったね」「給食が少しずつ食べられるようになってきたね」「自分の気持ちを言葉で伝えられるようになったね」などなど、いろいろな場面での成長をぜひ思い出しながら、親子でふりかえられるといいですね。
春休み中に、一年分のプリントやテスト、作品などを処分するというご家庭も多いのではないでしょうか。それをうまく活用し、一年間の成長をふりかえる時間にしてみてくださいね。
小学生の春休みの過ごし方② 前の学年の学習を復習する
特に宿題が出ない春休み。何もしないで過ごしてしまうのは、とてももったいないです!新しいことを吸収する力もありますが、逆に忘れる力も持ち合わせているのが、子ども。あっという間に覚えたての漢字を忘れてしまったり、計算の仕方を忘れてしまったりするものです。
前の学年の復習を続けることが、次の学年のスタートをスムーズにきることができるコツでもあります。
特に、苦手なものがある場合には、この春休みにじっくり取り組めるといいでしょう。苦手意識が少しでも克服できれば、新しい学年の学習にも前向きに取り組むことができるはずです。
「読み・書き・算」といわれますが、本当にこれがすべての基本です。好きな本を音読する。漢字の書き取りをしたり、日記を書いてみたりするのもいいですね。また、たし算、ひき算、かけ算、わり算などの計算にコツコツ取り組むこともおすすめです。ただ、わり算がなかなかできない子の多くは、ひき算やかけ算の習得ができていないということがあります。
今できていないことの原因がどこにあるのかを見つけ、さかのぼって復習することが大事! 「なんで、こんなところがわからないの!」などという言葉はNGなので、気をつけてくださいね。「わり算の前に、九九とひき算からおさらいしてみようか」とさらっと声をかけてみると、プライドのある学齢のお子さんでも、やる気を出すことが多いです。
それから、漢字については、復習も大事ですが、新しい学年の漢字一覧などを見えるところに掲示しておくのも有効です。本格的に練習しなくても、毎日見ているだけでも、なんとなく形や読み方を覚えていくものです。一年間に習得する漢字の数は、けっこうな量です。漢字を覚えるのが苦手なお子さんは、先どり学習をしておいてもいいと思います。
小学生の春休みの過ごし方③ 文房具や学用品を新しくする
「新しい学年になる」というのは、子どもにとってはドキドキワクワクするものです。前の学年から気持ちを切り替える方法として、簡単にできることが、文房具や学用品で古くなったものを新しいものに変えることです。
そんなことで気持ちに変化があるのだろうか?と思われる方もいるかもしれませんが、子どもにとって普段使っているもの、学校に持っていくものが新しくなることは、とてもうれしいことです。
新しいノートの1ページ目は、丁寧な字で書きたくなる気持ち、わかりませんか?それと同じです。
前に受け持ったお子さんで、それまで学習になかなか気持ちがのらなかったのが、よく消える消しゴムを新しく買ってもらったことがきっかけで、変化した子がいました。
大人が思っている以上に、子どもにとっては「新しいもの」効果は高いように感じます。ただ、まだ使えるのに、新しいものをわざわざ購入するのは、あまりおすすめしません。もし、気分を一新するために、新しい文房具を購入するのであれば、まだ使えるものは家用で使うなど、少し工夫するといいでしょう。
すぐに新しいものを買ってもらえる環境の子どもは、ものを大切にする気持ちがなかなか育たない傾向があります。学校でも、落とし物入れに毎年大量のえんぴつが残り、結局持ち主が現れないままということがありました。
次から次へと新しいものを買ってあげるのではなく、使い終わった新しいものを。そして、新学年になったら、それまでの筆箱や鉛筆などを交換するなど、ある程度一貫したルールをつくっておいてもいいでしょう。
前の学年の失敗や後悔を、次の学年で克服していく。そんな気持ちで新しい春を迎えることができたら、すてきですね。
小学生の春休みの過ごし方④ 次の学年で楽しみなことを話す
春休みは、ぜひ親子で、次の学年を楽しみに迎えられるようなおしゃべりをしてみてください。特に、不安感が強いお子さんや交友関係がなかなか広がらないお子さんにとって、クラス替えや担任が変わることは、大きな心配事となります。
「友だちができなかったらどうしよう」「先生がこわい先生だったらどうしよう」など心配ごとが募ると、4月を迎えることがつらくなってしまう子もいるのではないでしょうか。
そんなときは、不安なことは不安としていったん受け止め、楽しみなことへ目を向けるような声かけをしてあげてください。次の学年ではどんなことがあるのかな? 楽しみなことはありそうかな?など、不安なこととは別の視点で、次の一年間を見ることができるようになると、不安から心が少し離れます。
「次の学年の学習でこんな楽しいことをやるみたいだよ」「お母さんは、〇年生のときこんなことに夢中だったよ」などと自分の経験を話してあげてもいいと思います。
学校以外のことでも、夢中になれることがあれば、その子の世界は広がります。不安なことは、少しでも不安がとりのぞけるよう前もってサポートしてあげることも大切です。でも、時には、まったく違った視点を与えてあげることも必要です。
小学生の春休みの過ごし方⑤ 学校ではできない経験をする
子どもの生きる世界は、まだまだとても狭いです。家庭、学校しか居場所がないという子も多くいます。春休み中、学校がお休みだからこそできることを、ぜひチャレンジさせてあげてください。
これは、どこかへ出かけなければいけないわけではありません。「経験をさせる」というと、どこかに連れていったり、何か習い事をはじめたり、いつもと違う場所で、違うことをしなければいけないと考えがちです。でも、経験をする場は、身近なところでもたくさんあります。
学校に行っているときにはできない経験、どんなことがあるでしょう。
たとえば、料理でもいいですね。それから、散歩をしながら、今までは気づかなかったことを発見することも立派な経験です。学校の学習以外に興味をもつことを、とことん調べてみる、極めてみることも、自分を大きく成長させる経験になります。
学校で学習したことを確かめてみる、実験してみる、育ててみる、試してみる、それはすべて「経験になる」ことです。普段は時間に追われ、好きなことに没頭できない子どもたちも、春休みはたっぷりと好きなことに没頭してみる。それも、学校では経験できないことになるでしょう。
昔、教えていた子の中に、春休み中に一日お母さんを体験した子がいました。新学期に出会って、第一声!「先生、知ってた~? お母さんって、すっごく大変なんだよ!!!」でした。その子にとって、大きな経験となったことでしょう。
【まとめ】春休みを有意義に過ごすと、4月のスタートがスムーズに!
学習面や人間関係で不安な子も多くいます。その子どもたちの不安を解消するには、とにかく動いてみることが大切だと思っています。じっと家にいてダラダラと過ごしていては、頭の中を不安がぐるぐる渦巻くだけ…。
ちょっと外に散歩に出てみる、散歩ついで新しい文房具を買いに行く、一年の成長をふりかえってみる、新しい学年で楽しみなことをおしゃべりしてみる。それだけでも、子どもの心にす~っと新しい風が吹き込むかもしれません。
簡単なことだけれど、子どもの心は、そんな簡単なことに敏感に反応することがあります。
「春休み…どう過ごしたらいいんだろう」とお悩みの方がいたら、できるものから実践してみてくださいね。新しいスタートをきるお子さんの背中を、そっと押す手助けができますように…
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