【入学準備】年長さんが身につけておきたい「学習の土台」とは!

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我が子も、小学校入学まであと1年となりました。「入学するまでにどんなことを身につけておいたらいいのだろう?」と心配になっている方もいるのではないでしょうか。

小学校の教員時代、実際に小学校1年生を担任していたときに感じていたことがいくつかありました。今日はその中から「入学前にぜひがんばっておいてほしいこと」をお伝えしたいと思います。

ぶあ
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ポイントは「生活力」!学力の土台になります。

どんなところを、どのように家庭でサポートすればよいのかを説明していくので、ぜひ参考にしてくださいね。

その① えんぴつの持ち方&削り方

年中ぐらいから、字を書くことに興味を持ち始める子もいると思います。えんぴつをもって何かを書くとき、書くものが正しいかどうかよりも、まずはえんぴつの持ち方を正しく教えましょう。

一度習得してしまった癖を直すのは、大変です。はじめから、正しくえんぴつを持つことができれば、そのあとわざわざ苦労して直す必要がありません。えんぴつに興味をもったそのときに、正しい持ち方を身につけることができるといいですね。

さらに、小学校では、鉛筆削りを使って自分でえんぴつを削ります。入学前に、鉛筆削り経験をしておくのが〇。電動は楽ですが、学校の鉛筆削りは手動が多いので手動で練習することをおすすめします。

ちなみに、我が家で使っているのがこれ。軽くて5歳児でも簡単にけずれます。

その② 消しゴムの使い方

小学校に入り、文字や数字を学習し始めると、間違っているところを直すことがたびたびあります。そのときに、大切になるのが「消しゴム」です。

子どもは、かわいい形やお気に入りのキャラクターの消しゴムを使いたがるかもしれません。でも、心を鬼にして「よく消える消しゴム」を選びましょう!

遊びで使う消しゴムは、キャラクターでも匂い付きでも何でも構いませんが、学習で使う消しゴムはシンプルで、消しやすいものを選んであげてください。

キャラクターものやにおいや飾りがついているものは、どうしても集中力に影響します。気が散ってしまうんですね。

また、「消しやすいもの」といっても、子どもの手の大きさによって持ちやすい形や大きさが変わってきます。どんな形だと消しやすいのかを試してみるのもいいですね。

授業中、こんな子がいました。

プリントの字を一生懸命消しているのにぜんぜん消えない。

さらには紙がビリっと破れてしまう。

これでは、間違いを直す以前に、消す作業でやる気がなくなってしまいます。そんなときは、「消しゴムを変える」「消し方を教えてあげる」だけで、消す労力がうんと少なくて済むようになります。

簡単に消すことができるようになれば、間違い直しも嫌な作業ではなくなります。

入学前から、よく消える「消しゴム」を使って、書いたものを消す練習をしてみてくださいね。

その③ 指先を使った遊び(はさみの使い方)

幼稚園や保育園でも、工作で「はさみ」や「のり」を使っていると思います。器用な子もいれば、そうでない子もいます。そこで、子どもの特性に合わせて積極的に指先を使た遊びを取り入れてみませんか。

実は、我が子も決して器用なタイプではありません。お絵描きは大好き、工作も大好きですが、手先は器用とはいえません。細かい作業は苦手、はさみの切り方もおおざっぱです。

でも、不器用だからずっと不器用かというと、そうでもないようです。最近、はまった「折り紙」。

鶴を折りたくて、毎日何羽も折っているうちに、角がしっかり尖った鶴を折るようになりました。はじめは、かろうじて「つる?」と思える仕上がりだったのですが、最近ではわたしが折ったものと変わりがないくらいの「鶴」を折ることができるようになったんです。

指先は使えば使うほど、ちゃんと動くようになるんですね。

「うちの子、不器用だから…」とあきらめるのは、まだ早い!うちの娘もそうですが、不器用な子は確かに時間がかかります。

でも、それを分かった上で、たくさん指先を使った遊びを取り入れていくことが大切だと思います。

すぐにできるようにならなくても大丈夫!少しずつ遊びの中で指先を使っていきましょう。

その④ 時計の見方&時間感覚

学校生活は、時間とともに進んでいきます。昔は、必ずチャイムが鳴っていましたが、最近の学校は、すべての節目にチャイムが鳴るとは限りません。時間を見ながら、トイレ休憩したり、次の授業の準備をしたりすることもあります。

もちろん、時計の学習は、小学校の算数で行うもの。とはいえ、すぐに読めるようにならないのが「時計」の難しいところです。普段からどれだけ「時計」を見て生活しているかが、とても大事になります。

入学前から、時計を見て生活する習慣をつけておくことが重要!

最近はデジタル時計のおうちも多いようですが、子どもが小学生のうちは目に見える場所に、アナログ時計を置いてあげてください。

「今、何時?」と時計を確認しながら生活してみること。入学前なら「何時」が分かれば、十分です。

また、時計を見ながら「5分間」「10分間」などの時間の感覚を体感できる遊びを問い入れるのもおすすめです。

たとえば、「5分間でお片付けをしよう」と、時計と一緒にタイマーで時間をセット。ピピピとなるまでに終わらせるゲームなどはいかがでしょう。遊び感覚でできます。

また、学校でよくやったゲームが、ストップウォッチで「1分あてゲーム」。目をつぶってストップウォッチをスタートし、1分たったと思ったところで止めるゲームです。これは、1分が60秒であることを学習するときに効果的です。

時計を意識する生活をしていくと、子どもは自然に「長い針と短い針」に気づくようになります。また、時間の感覚も身についていきます。

それには、ある程度の時間が必要になります。学校の算数の学習だけで、身につくものではありません。

入学前から、少しずつ「時計」を見ながら生活してみてください。

その⑤ 全身を使った遊び

人のことをいえないのですが、わたしは体が硬いです。それで損した経験がたくさんあります。

柔軟性があることは、すべてにおいてプラスだと思います。どんな運動をするにも柔軟性は大切。また、日常生活でも体が柔らかい人は、転んだときにけがが少ないっていいますよね。

小学校1年生の体育でも、マット、跳び箱、なわとび、鉄棒を使った動きを学習します。器械運動では、柔軟性が大きく影響してきます。

では、柔軟性を身につけるにはどうすればいいのでしょうか。

それは、やはり幼児期から体を動かすことだと思います。体を動かすといっても、ただ走り回っていればいいのかというと少し違います。バランスのよい全身運動が必要だということ。

たとえば、なわとびはリズム感覚も大事ですね。リズムに合わせてジャンプすることが、リズムに合わせてなわを跳ぶことにつながっていきます。

また、マットやとび箱、鉄棒は、腕の力も大切です。腕で体重を支える動きを取り入れましょう。たとえば、布団の上でワニ、カエル、オットセイなど、動物の動きをまねて遊ぶのもおすすめですよ。

とにかく、体のいろいろな部分を使った遊びをすることがポイントです。

わたしに似てしまった娘も体が硬い。さらには運動神経も…。入学前までにできることを一緒にしていこうと思っています。

その⑥ 自分の仕事をもつ

学校では係や当番の仕事があります。「やりたくないからやらない!」というわけにはいきません。また、自分の仕事をしっかり行う力は、学校だけで身につくものでもありません。

普段から、家でお手伝いをしたり、自分のことがは自分でやる習慣がついていたり、そういった経験から身につくものです。入学前から家庭での仕事(簡単なお手伝いでOK)をたくさんしておくといいですね。

娘の保育園では、年長さんになると「かかりの仕事」があります。小学校につながるものなので、親としては本当にありがたい!最近では、家でもお手伝いをするようになりました。

興味がある方は、こちらを読んでくださいね。

ところで、家ではぞうきんを使わないという家庭も多いのでしょうか。

でも、学校では、そうじでぞうきんを使います。実際に「ぞうきんが絞れない」「絞ったことがない」という子がたくさんいました。

ぞうきんを絞る動きは、指や手、腕の力もつきます。ぞうきんでなくてもいいので、何かを絞る経験はさせてあげてくださいね。

それ以外は入学後でも大丈夫!学力よりも生活力をつけよう!

以上、「入学前までにがんばっておきたいこと」でした。「あれ!?これだけ?」と思いませんか。

でも、これだけ身についていれば十分。『入学後に困らないように「ひらがな」「数字」を練習させないと!』と焦る必要はありません。

その前に大事なのは「生活力」です。学習面が心配な方は、まずえんぴつの持ち方や消しゴムの使い方など、学習の土台となるものを身につけることを意識してみましょう。

また、規則正しい生活を送ったり、時間を見て行動したりする「生活力」を身につけること、それが、入学前にぜひがんばっておきたいことです!

すでに身についている子は、興味をもっていることをさらに伸ばしたり、ひらがなや数字を書いたり読んだりできるように少し練習したりしてもいいと思います。

ただ、文字や数字を書くときには、必ず正しい書き順を教えてあげてください。間違った書き順や向きで覚えてきた子が、小学校で正しい書き順や形を覚え直すのに苦労する姿をたくさん見てきました。

「ひらがなを教えなくちゃ」と焦るのではなく、えんぴつや消しゴムを正しく使うことを、まずは教えてあげてください。

たし算を教えるのなら、遊びの中で具体物を数える経験をたくさんさせてあげてください。文字や数字はその後からで十分間に合います。

土台がしっかりしていれば、その後の学力は自然と積み重なっていくもの。生活面で自立できている子は、学習面でも力をつけていく子が多いです。

スタートは遅く感じても着々と追いついていくので、それほど心配しなくても大丈夫!

もちろん、机に向かう習慣をつけておくのも大切です。机に向かって、ひらがなを覚えるよりも、指先を使った遊びをしてみませんか。

工作、塗り絵、粘土、折り紙でもいいですね。えんぴつを持つ練習をするのであれば、点線をなぞったり、めいろをしたりするのも集中力がつきます。

集中して座って作業をしたあとには、たっぷり全身を使った遊びで体を動かしましょう。外で思い切り体を動かすのもよし。

また、室内であれば、でんぐり返し、大人の体を使った鉄棒、なわとび、リズムに合わせた動物の動きなど、どんなことでも構いません。

机に向かった学習は、小学校に入ってからずっと続きます。

入学前の「今」だからできること、「今しか」できないことがあるはずです。

入学前の1年を大事に過ごしていきたいですね。一緒にがんばりましょう!

プロフィール
ぶあ
ぶあ

教育コンサル・アドバイザー/WEBライター/チャイルドコーチ
10年以上の小学校教員経験&コーチングを活かした子育てを実践しながら、その経験をもとにコーチング子育て、おうちで使えるコーチング法など、オリジナルメソッドを公開中。現役時代には発信できなかった「教師の本音」、若い先生たちに伝えたい「ちょっとしたノウハウ」を伝授!
子育ても生き方も、もっともっと自由でいい!まわりの「ものさし」に合わせるのではない、肩の力をぬいた「子育て」「教育」が必要☆
旅大好きな昭和アナログ世代。結婚して子どもが生まれても、旅人魂は変わらず。夢は「旅するように生きること」。

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