入学説明会に行ったら「急に不安になった…」という声をよく聞きます。
それもそのはず、入学説明会で「これでもか~!」というボリュームで話があるからです。
わたし自身、以前、教員という立場で説明していた側なのですが…、
正直にいうと
とりあえず、伝えておくべきことは、すべて伝える!
というスタンスで話しています。
入学後に「え?知らなかった!」ということを防ぐため、入学後に子どもたちが「え…困った!」という場面が減るために、とにかく、たくさん話します…。
でも「すべて100%の状態で入学してほしい!」と求めているのではありません。
「入学後に、こんなことで子どもたちが困っているから、少しずつ練習しておいてくださいね」
という思いから、練習したり準備したりしておいてほしいことを伝えるわけです。「学校は何もしないで、家庭に丸投げ!」なんて誤解しないでくださいね。
でも、そのボリュームに「無理…」「できそうもない」と不安に感じる方も多いはず。
そこで、今日は、元教員として「これだけは優先して練習しておくといいこと」をお伝えしたいと思います。
入学説明会でたくさんの説明を受けたけど…「どれから練習したらいいのか分からない」「すべてできるようにはなりそうもない!」「ボリュームがありすぎて優先順位がつけられない」という方の参考にしていただけたらと思います。
優先① 身支度を自分でできるようになる
まずは、着替え。着替えたものをたたんでしまう習慣はついていますか。登園のときの持ち物を準備する習慣はついていますか。
それが、そのまま入学後にもつながります。着替えたものをたたむ、しまう、自分のものは自分で準備する習慣をつけておきましょう。と説明会でも言われたのではないかなと思います。
小学校に入ると、持ち物が毎日変わっていきます。園生活では毎日同じものを用意すればよかったものが、曜日や時間割によって持ち物が変わります。だからこそ、今のうちから、毎日同じものは自分で準備する習慣をつけておくといい!そして、前の日に準備する習慣も大事です。これは、優先した方がいいですよ。
子どもが自分で支度ができるように、収納場所を見直しておくことも◎!「あれ、どこ?」「これは?」と親に聞くことなく、自分で準備する習慣がつけば、親の負担も減って一石二鳥です。
優先② 約束を守って登下校できるようになる
園生活と大きく変わることの一つが、登下校ではないでしょうか。親の送迎なしに、子どもだけで登下校をすることになります。通学路が分かったら、通学路を通って登校する練習をしておくといいですね。
以前、1年生の担任をしていたとき、通学路が分からなくなって迷子になった子がいました。また、逆に通学路を通らずに寄り道をして帰り、「時間になっても帰宅してこない」とみんなで捜索したこともありました。
通学路を通る大切さを入学前に伝えておくこと、通学路で危険な場所はないかどうか親子で一緒に歩いてみること、そうすることで、親も子どものことがよく分かります。朝は集団登校の学校もあると思いますが、帰りは近くの友だちと帰るところがほとんどだと思います。
一人になっても、安全に帰ってこられるように、入学前に練習しておくことはとっても大切です。
優先③ 20分くらいで食べ終わる練習を!食べられる量を知る
幼稚園生活の子どもたちは、はじめての給食になりますね。
最近では、入学前から小学校に向けて時間を意識して昼食をとる練習をしているようです。これも、幼稚園や保育園からスムーズに小学校生活に慣れるための連携のひとつ。
それでも、小学校の場合は配膳も子どもたちが行うため、思いの外、食べる時間が短くなります。短い時間で集中して食べる練習をしておくことも大切です。自分で食べられる量を知ることも。
食べたい気持ちはあるけれど、実際に食べられずに残してしまう子がけっこういるものです。それは、入学後に少しずつ自分で分かっていくものですが、入学前からも練習できることのひとつでもあります。
家で、自分の食べられる量を、自分で配膳する習慣。特に、偏食気味や食が細いお子さんは、入学前から練習しておくことで不安が少なくなっていくと思います。「食べられる量を残さずに食べる」あたり前のようではありますが、子どもにとってはあたり前ではない。練習が必要なことです。
優先④ 時間を意識して遊んだり、片付けたりする
幼稚園や保育園でも、時間を区切って活動していると思います。でも、それが小学校に入ると、もっときちっと守らなくてはいけなくなります。
短い時間でトイレを済ませたり、次の授業の準備をしたり、遊びを切りあげたり、切り替えが必要な場面が増えます。
はじめのうちは、時間に追われるような小学校生活に疲れてしまう子もいるでしょう。少しずつ慣れていくものではありますが、入学前から家の中でも「時間」を意識しておくといいですよ。
授業と授業の間に5分休憩をはさむ学校が多いと思うので、5分を意識して行動してみるのもいいですね。「5分で片付けてみよう」「あと5分だよ」など、まずは5分という時間感覚がつくような声かけから始めてみてはいかがでしょうか。
優先⑤ まずは15分~座って作業する練習をしておく
1年生の担任をすると、多くの保護者の方から「うちの子、座っていられるのでしょうか」と相談を受けることがあります。多くのお子さんは「座っていられます」。でも、中には座っているのが難しい子がいることも事実です。
お子さんの特性を知るためにも、入学前に、まずは15分~、座って作業する練習をしてみることをおすすめします。
座って行うことは、学習でなくてもいいと思います。お絵描き、ぬりえ、工作、迷路、読書…好きなことから始めてみましょう。15分で一度休憩してもいいし、集中できそうなら30分続けてみてもいいでしょう。
いろいろな特性のお子さんがいます。「座っていられること=いいこと」とは限らないとわたしは思っています。座っていても、学習とは違うことに意識が向いている子もいれば、45分間座っていることは難しくても、耳は集中して聴いている子もいます。
大事なことは、その子にあった方法を見つけてあげること。座るのが苦手な子なら、どこが苦手なのかを探してあげること。
親が子どもの苦手を知っていれば、小学校に入ってから担任の先生に相談することができます。学校と家とタッグを組んでサポートできれば、その子にあった支援方法を見つけることにもつながります。
【まとめ】いろいろあるけれど、まずはこの5つを意識して生活してみよう!
これを見て分かりますか。
学習面よりも、実は生活面の方が大事。
生活面で自立している子は、小学校生活のリズムにも慣れやすく、その上で落ち着いて学習に取りむこともできていきます。
もちろん、自分の名前が読めること、書けることは、できておいた方が安心です。でも、それ以上のことは、そんなに焦らなくても大丈夫。
子どもたちが幼稚園や保育園との違いで戸惑うことの多くは、学習の難しさよりも、生活環境の違いです。広い校舎、たくさんの教室、45分ごとの授業、時間で区切られた生活、守るべき約束やルール、子どもだけでの登下校、自分で判断することもたくさん増えます。
小学校生活に慣れるというのは、小学校の生活リズムに慣れるということ。
その基本となるのが、今日ご紹介した5つです。もちろん、これ+アルファが可能な方は、少しずつ取り入れてみてくださいね。大事なことは、親ががんばりすぎないこと!
親ががんばりすぎてしまうと、結果、子どものやる気や自信が損なわれることも…。
子どもが小学校入学が楽しみになる!小学校生活への不安が少なくなる!その気持ちが一番大切です。
小学校入学までのカウントダウン!
焦らず、無理せず、できることから、始めていきましょう!
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