旅にでるようになって「英語を話せるようになりたい」と、心から思いました。旅先で出会った人とコミュニケーションをとりたい!旅先で英語が話せた方が便利!英語圏じゃなくても、英語は共通語なんだと実感することが多々あったからです。
そこから始めた「英語」の習得。短期留学をしたり、海外で出会った友人と英語でメールや手紙のやりとりをしたり、日本に来ている留学生との交流会に参加したり。ある程度、コミュニケーションがとれるようになったころ、日本で就職しました。
それでも、海外への夢はあきらめきれず、海外留学を決めることになるのですが…
留学先として選んだのは、なぜか英語圏ではなかった!
学生のとき夢見ていた英語がペラペラな自分。バイリンガルになっている自分。
結果、英語ではないけれど、バイリンガルにはなれました。
「子どものときから外国語に触れていないとバイリンガルにはなれない」と思っている方もいるかもしれません。
でも、大人になってからでもバイリンガルにはなれます。わたしの場合、言語の土台がまったくなかったマイナー言語でバイリンガルになれたので、英語であればバイリンガルの道は遠くはないと思います。
「英才教育しないとバイリンガルにはなれないの?」と思っている方や「大人になってから外国語を習得したい!」と思っている方の参考になればうれしいです。「バイリンガルにはまったく興味ない」という方も、「こんな方法で言語が身につくのか」という雑学として読んでいただければと思います。
では、「大人になってからバイリンガルになる方法」。留学はむずかしいという方は、留学しないで日本にいてもできることはあると思うので、アレンジしてみてくださいね。
方法① 外国語を外国語で学ぶ
外国語を学ぶときに、日本語訳をしながら学ぶ方法もあると思います。でも、わたしが留学した大学では、すべて外国語だけで進んでいく授業でした。その代わりに、先生は絵を描いたり、ジェスチャーで説明したり、その言葉がどんな意味なのかを推測できるように工夫してくれました。
はじめは、よく分からなかった言葉も、何度も聞くうちに「あ、これ、こういう意味っぽい」と分かるようになったり、「この言葉はこういうときに使うんだ」と気づいたりしていきました。
「よく分からない環境の中で、内容を想像すること」の大切さを実感しました。さらに、外国語だけで授業を受けると、それだけ多くの外国語を耳にすることになります。言語習得には、リスニング(聴く)とヒアリング(聞く)は欠かせません。
注意深く意識して聴くことと同時に、まったく意識せずに「聞き流す」ことも効果的。BGMのような感じで、外国語の音が耳から入ってくる環境にいると、はじめはただのBGMだった音がそのうち聞き取れるようになってきます。
よく赤ちゃんが言葉を覚えていくプロセスにたとえられますが、まずは「聴く・聞く」→「まねる」なんですね。
方法② 聴いた言葉をひたすらオウム返し
赤ちゃんのプロセス通りになりますが、聴こえた音をまねることも大事です。よく分からないけど、繰り返して発音してみること。違っていると、先生が言い直してくれたり、親切な現地の人が「こういう意味ね」と教えてくれたりします。
ただ聴いているだけだと、自分が聴こえた音が正しいのかどうか分からないので、「まねる」は言語習得の近道だと思います。
一般的に、バイリンガルになるには「子ども」のときの方がいいと思われています。音を聴き分ける力が子どもの方が高いこともありますが、「まねる」ことに抵抗がないこともあるのではないかと思います。
大人でも「まねる」ことができれば、バイリンガルになれます。ただ、発音がネイティブに近いかどうかを比較すると、やはり子どもの方が発音はいい気がします。(あくまで、わたしが出会った人の中での比較です)ちなみに、わたしの発音もネイティブとは違うと自覚しています。
方法③ ネイティブの友人とおしゃべりする
ネイティブの友だちがいるかどうかも重要です。日常的に外国語で話す機会をいかにつくるか、これは自分次第です。
留学しても、日本人と日本語で会話してばかりいるのはもったいない!情報収集やいざとなったときの友として、日本人の友だちも大切ですが…
ネイティブの友だちができると、大学で習うような正しい文法だけでなく、生きた日常会話が学べます。日本語も同じですよね。「主語+述語」で日常会話している人って少ない。主語を省略したり、述語でも人によって言い回しが違ったり。そういう言い方って、実際にネイティブの人からじゃないと学べないものです。
方法④ 間違っても気にせず、どんどん使う
「間違っても気にしない精神」、大事です。間違えながら覚えていくものだと、割り切ってどんどん使っていくことも、言語習得の近道なのではないでしょうか。
「正しい文法で、正しい言い回しで、ネイティブのような発音で」とか気にしてしまうと、言いたいことも言えなくなってしまいます。
「文法はどうであれ、発音がどうであれ、伝わることが大事」と思って、どんどん使うようにすると、そのうち頭で考えずに口から言葉が出てくるようになりますよ。
方法⑤ 少ない単語数でも、同時通訳しまくる
わたしの場合、一番効果的だったのが、仕事で使えたことです。現地の人と日本の駐在員との間に入り、通訳のようなこともしていたので、そこでの経験がバイリンガルにつながったと思っています。
毎日、オフィスでは現地スタッフの外国語が飛び交い、取引先の現地スタッフとの調整や会議の通訳などもしていました。頭の中は、常に二か国語。考える時間もなく、瞬時に通訳しなくてはいけないことばかりでした。
もちろん、はじめからうまくできたわけではありません。日常会話とはまったく違うビジネス用語の数々。「そんなことも分からないの?」という目で見られたり、うまく通訳できずにへこんだりしたこともたくさんありました。
でも、場数をふむとどうにかなるものなんですね。分からない単語がでてきたら、「今の単語って、こういう意味?」と確認すればいいことに気づきました。また、日本語を訳すときには難しい言葉を使わなくても、自分の知っている単語で説明するようにしました。
そうやって日々使い続けた結果、必然的にバイリンガルになっていたと言えます。
【まとめ】どれだけ聞いたか×どれだけ使ったか
言語習得には「聴く」「話す」が土台になります。そこに、「読む」「書く」が積み重なっていくイメージですね。バイリンガルとまではいかなくても、どの言語を習得するにも共通のプロセスです。
2020年度から始まった小学校の外国語教育でも、このプロセスをもとにカリキュラムが組まれています。子どものときから外国語に触れることで、将来、グローバルに活躍できる子どもを育てようというねらいです。
言語を習得するのに期限はありません。大人になってからでもバイリンガルにはなれるし、留学したことがなくてもバイリンガルの子もいます。
「こうしなければならない」という枠にとらわれることなく、自分にあった方法で学んでいくこと。「バイリンガル」にこだわらなくても、ある程度自分のいいたいことをいえるくらいの言語力でも十分ではないかとも思います。
「何のために言葉を学ぶのか」そこがはっきりしていれば、言語は習得できる!
留学という方法をとらなくても、オンラインでも学べる時代。目的をもって、いろいろなツールを活用すれば、「今までとは違った語学留学」ができるのではないでしょうか。
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