親子の距離って難しいですよね。毎日ずっと一緒にいても平気な親子もいれば、ある程度別々の時間があってバランスのとれる親子もいるでしょう。
昭和時代の子育ては、けっこう厳しかったような気がします。うちの親は厳格ではなく、のびのび育ててもらいましたが、近所の怖いおじさまやおばさま、地域の人に時には厳しく、時には温かく見守られながら、育った感じがします。
それに比べると、今の子どもたちはずいぶん違うんだろうなぁ…。今や、地域の教育力は、都会ではほとんどないのではないでしょうか。
「いけないことをしていたら叱られる!」
それも知らないおじさんに…という経験をしている子どもは、最近ではあまりないかもしれませんね。
本当に叱らなければいけないことは、きちんと叱ることは大切です。でも、何から何まで叱られ続けていたら、誰だって自信をなくしてしまいますよね。
子育てに「叱る」と同時に大事なことが「褒める」ことだと言われています。そうは思っていても…。
他のうちの子は褒められるのに、自分の子どもとなると・・・
あらさがしばかりしてしまう。
いうことを聞かないと、ついイライラしてしまう。
言いたくないのに、余計な一言が口から出てしまう。
褒めるよりも、叱ったり小言を言ったりすることの方が多くなってしまいませんか。「褒める」ことが大事なことなんて分かっている。でも、それって、時間にも心にも余裕がないと、なかなか継続できません。
どうにかならないか試行錯誤した中で、編み出した「子どもの力が伸びる接し方」を今日はいくつか紹介したいと思います。
子どもの実態によっては効果がない場合もあるかもしれないので、あくまで参考にしてみてくださいね。
「見て見て」攻撃には…あとでまとめてオーバーリアクション
幼児の場合、「見て見て」攻撃は日常茶飯事です。育児書などには「見て」というときには、「どんなに忙しくても手をとめて見てあげましょう」と書いてあります。
でも、どんなに忙しくても、「見て」のたびに手を止めていたら、何もできなくなりませんか!?
わたしも育休中はなんとかできましたが、仕事に復帰してからは、それは無理!
かわいそうだけど、毎回手をとめて見てあげることなどできませんでした。
そんなとき、料理中や掃除中、どうしても手を離せない場合の「見て」攻撃に、効果的な方法を見つけました!
ごめんね。今すぐ見てあげたいんだけど、今(包丁もっているから)どうしても見られないの。終わったらすぐに見に行くから、それまで見てほしいものがあったら、増やしておいてね!楽しみだなぁ~
とかなんとか理由を説明して、納得してもらいます。
大事なのは、用事が終わったあと、必ず急いで子どものところへ行くこと。
そして、子どもが見てほしかったものを見ながら、コメントを!できれば、オーバーリアクションがいいです。
「すぐに見てほしい」のを我慢して待っていた子どもの気持ちを察することを忘れずに。それが何なのか見ただけでは分からないようなものの場合は、子どもにいろいろインタビューして、語ってもらってもいいですね。その中から、がんばったんだなと感じたことや、すてきだなと思ったことを言葉にして伝えてあげるだけで、子どもは満足することが多いです。
これを何回か繰り返していくと、「今見てもらえなくても、あとで見に来てくれるから待とう」という心理が生まれるようです。
「見て」攻撃に適当に答えたり、「あとでね」と約束したのにすっかり忘れてしまったりすると、子どもは「見てもらえない」「見ても褒めてもらえない」ことを学び、逆効果になることがあるので、要注意!わたしも、必ず約束は守るように、気をつけています。
他の子と比べない。ちょっと前の自分と比べよう。
他の子を見ると、自分の子どもの苦手なことに気づいたりします。
・○○ちゃんは、なわとびがあんなに跳べる。
・〇〇ちゃんは、すらすら絵本を読んでいた。
・みんな、ハサミが使えるのに、うちの子はなかなか使えるようにならない。
・みんな、おはしを使って食べられるのに、うちはまだまだ。
などなど、他の子と比べ始めると、きりがありません。「あれもこれもできていない」という親の焦りは、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。
比べる相手は、他の子(兄弟も含む)ではなく、ちょっと昔の自分にしてあげるといいですよ。それは、子どもにとっても、親にとってもです。
まず、親にとっては、焦る必要がなくなります。子どものペースに合わせて、できるようになったことを素直に認め、喜ぶことができるようになります。
また、子どもにとっては、「今までできなかったことができた」ことで、自信につながります。周りと比べられることがないので、自己肯定感も高まります。
我が子も、いろいろとできないことが多く、ゆっくりマイペースに成長しているタイプ。それなので他の子と比べるのではなく、我が子のペースで成長を見守るようにしています。
幸い保育園にも恵まれ、園の先生たちも、一人一人の子どもに合わせて声をかけて下さるので安心です。最近はだいぶ自信をもって、いろいろなことにチャレンジできるようになってきました。
頼ってできたことに感謝を伝える「小さいママ」作戦
年長になったばかりの娘ですが、ちょっと前から使っている「小さいママ」作戦!
女の子のママにおすすめです。
あぁ、ちょっと風邪ひいちゃったみたい。どうしよう。困ったなぁ。洗濯ものたたむパワーがない…。
今までは、熱があろうが頭痛がひどかろうが、自分の体にむちをうって、動いていました。でも、ある日ちょっと「大きなひとり言」を言ってみたんです。
すると…。5歳児が「やってあげる~!」とはりきりはじめました。その姿を見て
わぁ!今日は、小さいママがいて、大助かり!
と、オーバーリアクション気味に一言。かなり嬉しかったようで、娘は得意げな顔で、食器をさげたり、布団の準備をしたり、お手伝いオンパレード。さらに、お風呂も歯磨きも、自分からさっさと行動していました。
「小さいママ」効果抜群です!
そして、自分で動いてくれるので、「ありがとう」という材料がたくさんあります。親は、とにかく喜び感謝を伝えるだけ。娘も、自分が誰かの役にたっていることを実感でき、自信にもつながっているようです。
できたことを褒めるより、努力している過程を認めよう。
いろんなことにどんどん挑戦できる子、物怖じせずにやってみる子、失敗してもガッツで乗り越えられる子、本当にたくましいですよね。
我が子にとっては、憧れです。
うちの子は運動神経があまりよくありません。マット、鉄棒、跳び箱、なわとび、すべてに努力が必要なタイプ。わたし自身は、努力して身につけた覚えがないので、できない我が子の姿がもどかしくなることもあります。
でも、「人と比べない」=「親とも比べない」ことを意識しています。
できないことが多い子って、「できない」経験ばかり積み重なっていくんですね。「やってもやっても失敗」、想像するだけでもへこみます。
そこで「結果」にこだわらないように切り替えました。
「できなくてもいい」
「大事なのは、努力しているプロセス」
「努力は、必ず自分の力になる」
それを伝えるようにしています。どんなに努力してもできないことがあるかもしれない。「努力したら、必ずできるよ」と伝えるのが、かわいそうになるほどなので…。
どの子にも得手不得手があるものです。「できないから、やらない」になってしまわないように、「できなくてもいいから、がんばってみる」ぐらいがちょうどいいのかな…と思っています。そして、できなくてもがんばっている姿を認めるようにしています。
それでもイライラするときには…距離をおくことも大切!
時間にも心にも余裕がなくなると、瞬間湯沸かし器のように(昭和世代しか通じない!?)、頭に血がのぼることもあるかもしれません。
そんなときには、子どもと離れましょう。
違う部屋に行く、トイレにこもる、ちょっと外の空気を吸いに出る…
少し離れて、深呼吸を!
距離と呼吸は大事だと実感しています。イライラしていては、褒めるどころか不必要な一言を発してしまいます。
わたしは、イライラして「あ、これキケン」と思ったときは、外の空気を吸って、深呼吸します。そして、子どもが生まれたときのこと、病気になったときのことなどを思い返すようにしています。そうすると
「元気に生きてくれているだけで感謝」
と冷静になってきます。
その後、また子どものもとに戻り、自分が感情的になってしまったなと反省したときには、子どもに謝ることもあります。子どもが気づいていないときには、何事もなく過ごすこともあります。
子育ては24時間ノンストップです。完璧な母親になんてなれません。子どもと手探りで一緒に成長していけばいい。ただ、どんなときでも、自分の言動が子どもに与える影響の大きさだけは、しっかり自覚していきたいと思っています。
いかがでしたか?
大人だって、がんばっていることを認めてもらえたら、うれしいですよね!?子どもも同じです。
表面的な「誉め言葉」よりも、ずっと効果がある「子どもの姿を認めること」「感謝をつたえること」、参考にしてもらえたらうれしいです。
心が穏やかになる言葉でコミュニケーションをとっていきましょう!
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