今まで、子育てについての記事を書いてきましたが、実際コーチングについてはあまり書いていなかったことを反省…。どのくらいの方のお役にたてるか分かりませんが、少しずつコーチング子育てについて、紹介していこうと思います。
コーチングって何!?という方もいるかもしれませんね。
簡単にいえば、一方的に教える(TEACH)ではなく、寄り添いながらサポート(COACH)していくもの。最近では、ライフコーチなど生き方や働き方をコーチする職業も増えてきました。
そのコーチングを「子育て」に活かすこと=チャイルドコーチングを実践しています。
はじめは「ちょっと大変かも…」と思うこともありましたが、実践していくと、子どもが自分から動くことが多くなったり、自分で考える力がついたり…といいこともあり、効果を実感しています。
そこで、まずは、すぐに実践できる「言葉がけ」についてお伝えしたいと思います。分かりやすくお伝えするために「NGワード」を紹介しながら「言葉」について一緒に考えていきたいと思います。
「どんな言い方をしても子どもに伝わらない」「イライラしながら話してしまう」などのお悩みをおもちの方は、参考にしてみてくださね。
【これはNGワード】 ○○しないと、○○はしちゃだめ!
これ、よく言いがちじゃないですか? わたしも、気をつけないと、思わず口から出てしまう言葉です。
でも、この言葉、よくよく考えてみると、否定的な言葉が二重に使われています。否定的なネガティブワードは、子どもにとってはあまりいい影響を与えません。ネガティブワードに囲まれて育った子は、自己肯定感が低かったり、ネガティブ思考になりやすかったり…。また、このネガティブワード、子どもからすると、脅迫に近い圧迫感を感じることもあるのではないでしょうか。
子どもは、この言葉を聞くと、どのように感じるのでしょう?一緒に考えてみましょう。
たとえば、「宿題しないと、ゲームしちゃだめ」と伝えたとします。子どもの立場で考えると、宿題はしたくない→でもゲームはしたい→ゲームがしたいから宿題をしなくちゃ…
という心理が働きます。たしかに、これで宿題をすます子も多いはず。でも、子どもは「ゲームがしたい」という気持ちを優先した結果、いやいや宿題をやることにもなりかねません。
「宿題は何のためにするのか?」「なぜ、ゲームを優先してはだめなのか?」一番大事なポイントを考える機会がありません。
「宿題は何のためにするのか?」「ゲームばかりするとどうなるのか?」を子どもが自分で考えて、宿題とゲームのバランスを自分で決めることが大事。
とはいっても、「自分で考えなさい」では、子どもは間違いなくゲームを優先するでしょう。そこで、大切なことは、コーチとして親が一緒に考えることにつきあうこと。
子どもの言葉を繰り返したり、整理したりしながら、子ども自身が自分で決められるように導くことが大切です。
「う~ん、それは理想であって、無理じゃない!?」
と思った方もいるかもしれませんね。そんな方には、もっと簡単にできる方法があります。
それは、プラスの言葉を重ねること。
「○○すると、○○になるね!」という声かけです。
これをすると、こんないい状態になれるよ~とアドバイスすること。否定の言葉よりも、はるかに子どもの心にはいい影響を与えます。すぐにできなくても、意識しておくだけでも、ずいぶん違ってくると思いますよ。
【これはNGワード】 ○○ちゃんは、そんなことしてない!
人と比べられること、子どもがとても嫌がることのひとつですね。
特に、人と比べてできないことを指摘されると、自尊心が傷つきます。「せっかく努力していたのに…もうやりたくない」とやる気をなくすことにもつながります。
最近、ようやく「横の比較ではなく、縦の比較を」ということを言われるようになりました。比較する相手は、友だちや兄弟、他人ではなく、過去の自分ということ。
ただ、過去の自分と比較するのなら「昔はできたのに、なんで今はできないの?」という比較はありなのか?と思われる方もいるかもしれません。しかし、それも、NGです。
大人だって、そんな言い方されたら、悲しくなりますよね。子どもは、実はとても繊細です。
縦の比較をするときには、過去できなかったことができるようになったとき、できないことにも努力している姿などがおすすめです。
【これはNGワード】 そんなことしてると、先生に言っちゃうよ!
先生効果は、抜群だとよく聞きます。うちの娘も、先生には見せたくない「家の姿」というのがあるようです。でも、「先生に言っちゃうよ」は使っていませんが…。
なぜ、この言葉がNGなのか。
それは、先生に言ったところで、何も解決につながらないからです。
また「先生に言っちゃうよ」と子どもにいって、本当に先生に相談する方はかなり少ないのでないかと思います。そのうち、子どもは「どうせ、先生には言わない」と察するようになり、この言葉の効力がなくなっていきます。
「何か行動を変えたい」と思っているとき、誰かを持ち出すことは、いっときは効果があっても、根本の解決にはなりません。「なぜ、行動を変えた方がいいのか」そこを子どもと一緒に考える時間の方が大切です。
はじめは、すぐに効果が見られなかったり、時間がかかったりするかもしれません。でも、長い目で見ると、子ども自身に考える力がつき、自分で判断できるようになっていきます。
【これはNGワード】 ちゃんとしなさい!しっかりしなさい!
これ、よく言ってしまう言葉…。以前、初めて小学校1年生の担任になったとき、先輩の先生から言われた言葉です。
「ちゃんとしなさい。しっかりしなさい」は曖昧な言葉。子どもはどうすることが「ちゃんと」「しっかり」なのか分からない。
たしかに、大人になれば「ちゃんとしなくちゃ」とか「しっかりしなくちゃ」と言われれば、「あぁこうするんだな」と分かりますが、幼い子どもたちには分かりにくいんですね。
代わりに、具体的な状態を伝えることが大切だと気づきました。たとえば、「足をそろえて座ろうね」とか「背筋ピンしようね」など、子どもが分かりやすい言葉で伝えることが大切です。
「ちゃんとしなさい」「しっかりしなさい」と言っても、子どもの行動が変わらない場合、もしかしたら、子どもはその意味が分かっていないのかもしれません。
【これはNGワード】 いいかげんにして!
やさしく注意していたのに、まったく効果がなく、だんだんと声の調子が強くなり、最終的に「いいかげんにしなさい!」で締めくくる…。
分かります、その気持ち。でも、残念ながら、子どもには伝わっていないことが多いのではないでしょうか。伝わるとしたら、「ママが怒っている」ということ。感情的な言葉は、本当の真意がほぼ伝わらないように思います。お互いに嫌な気持ちだけが残るだけ。
では、どうすればよいのか。やさしい言葉で伝えるときの伝え方を工夫してみるのも、ひとつです。しっかり子どもの顔を見ながら伝える、考えさせること。親が何かをしながら、伝えることは避けた方がいいでしょう。本気度が伝わりません。
また、伝えたときに、子どもに約束させてもいいですね。「あと何回やったらおしまい」「ここだけにしよう」など、子どもが納得するところで折り合いをつけることで、子どもの中で葛藤や我慢が生まれることがあります。これは、成長の過程で大事なことです。
そして、一気に「いいかげんにしなさい!」モードにならないように、親側の気持ちのコントールも大切です。
「ちょっと、これ以上は無理…爆発しそう…」と思ったら、理由を伝えてその場を去るというのもひとつです。外の場合では、距離をとって離れるということもできますね。わたしは、よくこの方法をとります。
ただ、何も言わずに離れてしまうと、子どもはその理由が分からないので、きちんと離れる理由を説明してから、距離をおくようにします。すると、子どもは「あ…どうしよう」と考え始めるかもしれません。
【まとめ】感情的になるのはNG!人と比べるのもさけよう。
コーチングは教え込む(teach)とは違います。あくまで、本人の思いに寄り添いながら、自分で決断したり、考えたりしていく過程をサポートするものです。
子ども向けのコーチングでも、大事なことは基本的には変わりません。ただ、子ども向けコーチングでは「大人が教えなくてはならないこと」があることも、事実です。そのバランスをうまくとりながら、子育てをしていくことが大切になります。
慣れるまでは、ちょっと大変と感じるかもしれませんが、慣れてしまえば、子育てが楽に感じることも…。
それは、誰かと比べてやきもきすることなく、その子自身の成長に合わせられるからです。自分の思い通りにならないのが、子育てです。でも、思いもしない成長が見られるのも、子育ての大きな喜びです。
ちょっとした言葉のつかい方で、子どもの行動が変わることがあります。できることから、少しずつ!肩の力をぬいて、子どもと一緒に成長していきましょう!
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