チャイルドコーチングって、知っていますか?
昔はなかった資格のひとつで、最近少しずつ注目をあびるようになってきました。もともと小学校の教員をしていたので、日々子どもたちと関わる中で関わり方や声のかけ方など、ある程度実践で身につけてきたものはあったのですが…。実際に資格の勉強をしてみると、「なるほど!」と納得できるものばかり!
もっとはやく知っておきたかった!
と思うこともたくさんありました。
その中から「目からウロコ」だったことを、少しずつお伝えしていきたいと思います。同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。
コーチング子育て① 思い通りにいかずにイライラすること、ありませんか。
子どもが思い通りに動いてくれない!
ここぞというときにトラブル発生。
思い通りにしようとすればするほど、うまくいかない。
ちょっとしたことで、イライラしてしまう。
前職が教員だったこともあり、「子どもにはトラブルはつきもの!」ちょっとしたことでは動じないはずでした。それが、自分の子どもとなると別なんですね。自分でもびっくりです!
仕事が忙しい時期だったり、特別な予定が入っていて急いでいるときだったり、そういうときに限って、子どもって何かを起こす。しかも、わざとそこを狙っているのではないかと思うくらいのタイミングのよさで。
そんなときには、どうしてもイライラが出てしまいます。口調が強くなってしまったり、余計な一言を言ってしまったり、「あぁ言い過ぎた」と後悔してもすでに遅い。
イライラして何か話しても子どもには伝わらない。強い口調で言ってしまったあとには後悔する。「じゃ、どうすればいいの~?」って、思っていました。
そんなとき、ちょうど「チャイルドコーチング」の勉強を始めました。
だんだん勉強を進めていくうちに、イライラは意外なことで簡単に解消されました!「イライラ」のもとが分かると、イライラが解消されたんです。それでは、具体的に「イライラを解消できたプロセス」をお伝えしていきますね。
コーチング子育て② そもそも、なぜ「イライラ」するのかを考えよう。
何でイライラしているのか。
子どもが困った行動をしたから?
では、困った行動とは、誰が困るのでしょうか。子ども自身?親?周りの人?
かりに子どもが誰かを困らせる行動をとったとして、なぜそれでイライラするのでしょう。
そうやって、自分に問いかけていくと…ひとつの答えに行き当たります。それは、イライラしているのには、子どもとは別に理由があるということです。
たとえば、大事な用事があって急いでいるときに、子どもがぐずぐずしている。子どもがぐずぐずしていると、大事な用事に間に合わないからイライラが始まる。この場合、子どもがぐずぐずしていることが原因ではありません。急いでいるのに思うように物事が進まないことにイライラしていることが分かります。
つまり、イライラしている原因は「子ども」ではないのです。「自分」なのです。
仕事が忙しい。急ぎの用がある。だから、思い通りにスムーズに物事が運ばないと困る。そう、困っているのは「子ども」でも「周りの人」でもなく、「親自身」だということです。自分が困るから、イライラするんですね。「イライラの原因」は「自分」だったということが分かります。
コーチング子育て③ 子どもが思い通りにならないのは当たり前!
とはいえ、仕事が忙しいときや大事な用事のときに限って、思い通りにならないことが起こるって、感じたことはありませんか。周りの先輩ママたちの多くが「ここぞってときに、子どもはけがしたり熱出したりする」と話していました。確かに同感!
でも、思い通りにならないのは「ここぞ!」というときだけなのでしょうか。
子どもって、常に思い通りには動かないものではありませんか。でも、「ここぞ!」というときには、その思い通りにならない行動が、自分をとても困らせることになります。だから、普段より強く実感するだけなのでは…。
子どもが思い通りにならないのは、当たり前のこと。子どもに限らず、自分以外の人を思い通りに動かすことなんてできません。その視点をもつと、今まで自分目線だったことが、子ども目線に切り替わります。
子どもは、あくまで子ども。子どもが周りの雰囲気を察して行動していたら、その方がちょっと心配なくらいです。子どもは子どもの日常を生きているというだけ。「自分の行動でお母さんがどんなに困るか」なんて、考えていないのです。
コーチング子育て④ 思い通りにさせようというのが、間違っている。
さきほど、少し話に出しましたが、自分以外の人を思う通りにしようというのは無理なこと。もし、誰かが自分のことを思い通りにしようとしていたら、どうでしょう。
少なくとも、わたしはコントロールされている感じがして苦しさを覚えると思います。
それは、子どもでも同じこと。自分の子どもであっても、自分とは違う別の人間だということを忘れてはいけません。子どもの立場にたってみると、見えてくるものがありませんか。「思い通りにさせよう」と親がすればするほど、それに反抗したくなる子どもの気持ち。想像できますよね。
子どもは思い通りにならない!だから、いくら思い通りにさせようと親ががんばっても、うまくいかないのは当たり前だということが分かります。
コーチング子育て⑤ 大事なのは、子どもに「考える」時間を与えること。
それでも、親には親の予定や都合があります。仕事もあります。思い通りにはならないとしても、日々大事なことはしっかりやっていかなければならない。すべてを子どものペースに合わせていては、生活ができません。
そこで、よく使ってしまいがちな方法がこれ。子どもを思い通りに動かすために、強い言葉で子どもに発することです。
ところが、それは「そのとき」は効果があったとしても、長い目で見たときに、子どもにとっていい影響はありません。これを繰り返すと、子どもは委縮したり、親の顔色見て行動するようになったりします。
では、どうすればいいのでしょうか。たとえば、2歳の子が公園で遊んでいるとします。母親は「夕方になったから、そろそろ家に帰りたい」、一方子どもは「もっと遊んでいたい」よく見られる光景ですね。
こんなとき、親としては日常の生活を優先させます。子どもは「もっと遊んでいたい」という気持ちをコントロールして、お母さんと一緒に帰る決断をしなくてはならない。そのときに、無理やり手を引っ張って帰ろうとしたり、「いいかげんにしなさい!」と怒りの感情をぶつけたりしてしまう場面を見ます。
でも、これだと、子どもは「なぜ帰らなくてはいけないのか」考える時間もなく、一方的に親の決断に従わなくてはいけなくなります。
大事にしなくてはならないのは、「お母さんと一緒に帰ってごはんを食べる」という決断と「このまま遊んでいたい」という気持ちの中で揺れ動く「時間」を与えること。
そして、子どもが、自分で「どうしたいか」を決めるチャンスを与えること。それらが与えられることで、子どもが「自分で考えて行動する」力をつけることができます。
コーチング子育て⑥ 怒りの感情ではなく、自分の気持ちを伝えてみる。
「いいかげんにしなさい!」などといった怒りの感情を子どもにぶつけたところで、何かよいものが生まれるでしょうか。子どもからしたら、何のことか分からないかもしれません。逆に、子どもが自分に原因があると分かっている場合には「対立」を生むこともあります。
そこで、まずは子どもの気持ちを聴いてみる。そして、その気持ちをまずは受け入れること。自分の気持ちを受け止めてもらえたことで、子どもも心を開きます。その開いた心に、親の思いを伝えていく。そうすると、子どもは「自分の思い」と「親の思い」の間で、葛藤することができます。それが、ゆくゆく「自立」につながっていきます。
つまり、子どもの気持ちに寄り添い、親の思いを伝え対話することが大切だということです。
コーチング子育て⑦ 繰り返し、時間をかけて!結果はすぐには表れない。
それでも、子どもは子ども。すぐに、変化はないかもしれません。ここで、親の努力が必要になります。「待つ」という努力です。「気長にゆっくり、繰り返し」です。
手伝ってしまった方がはやいこと、思わず口を出してしまいそうになること、たくさんありますよね。でも「待つ」です! ぐっと我慢して、子どもに「考える時間」を与えましょう。
また、日頃のスキンシップや信頼関係もとても大切です。子どもが自分のペースで自分の問題と向き合い、悩み、解決する時間を繰り返し与えることで、子どもは学んでいきます。その結果、親が大変そうなときにはどうしたらいいのか、自分で考えて行動してくれるような日がきっと来るのでしょう。そして、そのころには、イライラする必要もなくなるというわけです。
【まとめ】イライラするのは自分のせいだった!
イライラしているのは「思い通りにしてほしい」という自分の気持ちから生まれていたことが分かります。
つまり、思い通りにはならないことを、思い通りにしようとしていたから、イライラしていたということです。思い通りにはならないのだという前提にたつこと。そして、子どもの立場で状況をみれば、イライラは事態を悪化させるだけだということが分かります。イライラよりも、冷静な対話を!
感情的になるのではなく、対話すること。考える時間を与えること。待つこと。
わたしは、忙しいとき、急ぎの用があるときは、時間に余裕をもつようになりました。心の余裕はなくても時間に少しでも余裕があれば、子どもに「考える時間」を与えられます。それが、「自分がイライラしないで子どもと対話できる方法」だと考えたからです。
そして、常に「思い通りにはならない」と思って子どもと関わるようになりました。そうすると、突然何かが起こっても、それほど慌てずに対応できるようになりました。
イライラは、ちょっと自分の意識を切り替えるだけで解消されました。
イライラの原因は「自分」だと分かったからです。そして、「思い通りにはならない」という視点をもてば、子どもの気持ちに寄り添う余裕も生まれます。
対話ができるようになると、イライラすることがなくなりました。子どもとの対話を通して、自分の気持ちも冷静に見つめなおすことができるようになってきたのかもしれません。
子どもは子ども。一人の人間として成長しています。そして、親の姿勢を見て育ちます。どんなに忙しくても、どんなに心に余裕がなくても、自分は子どもの「モデル」であることを忘れてはいけませんね。
今回は、「イライラ解消法」についてお伝えしました。学べば学ぶほど、チャイルドコーチングって奥が深い!また、機会があったら別のテーマでお伝えしたいと思います。
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