保育園・幼稚園がお休みの間、みなさんどんなことをしていますか。保育園ママたちの間で「ひらがなの練習をさせている!」という声がちらほら。中には、たし算のドリルをやっている子もいるようです。
でも、周りは周り!子どもが興味をもつまでは特に何もしなくても大丈夫!子どもが興味をもったら、それを伸ばしてあげるサポートをしよう!
そんな親に育てられた我が娘。ひらがなもカタカナもいっさい家で教えたことがないのにどこで覚えてきたのか、いつの間にかひらがなもカタカナも読めるようになっていました。
本をたくさん読んでいたので、そこで覚えたのかな。あと、記号を覚えるのも好きな娘。文字というよりも、記号の一種としてインプットされていったのかもしれません。
読めるようになると「書きたい!」と思うのが自然な流れ。見よう見まねで「ひらがな」を書き始めました。最近は、だいぶ、すらすら書けるようになってきました。そこで、気になり始めたのが書き順! はじめが肝心なのが書き順です。
そうやく「このときが来た!」と感じました。親のサポートが必要な時期だということです。いよいよ親の出番。そこで、小学校教員の経験を生かして「正しい書き順が身につく方法」を考えてみました。現在実践中のため、結果まではお伝えできませんが、参考になればと思います。
その① 簡単な文字から学ぶ
昭和の学び方といえば、「あいうえお」順!ですよね。わたしも、子どものころ「あいうえお」の順番に覚えていきました。
でも、実は「あ」という文字、子どもにとってはむずかしい形なんですよね。
それを一番に覚えようとすると、子どもによっては「ひらがなってむずかしい!書けない!」とやる気をなくしてしまうことも…。
そこで、知っている人もいるかもしれませんが、おすすめなのが「ヨコミネ式」。50音の簡単な文字から学習していく方法です。簡単に書くことがきるものから順に練習していきます。はじめは一画で書けるもの。
「あ、かんたん!」「書けた!」と子どもは喜んで自信をつけます。少しずつ画数が多いもの、形がむずかしいものになっていきます。
子どもに無理なく自信をつけながら学習が進むので、本当におすすめです。ヨコミネ式を使ったドリルもあるので、興味のある方は探してみてくださいね。
その② なぞり書きができるものを活用する
書き順を正しく覚えるために、ひらがな練習帳には書き順が数字で書いてあります。でも、子どもってけっこう無視して好きに書いたりしませんか。
えんぴつでなぞり書きをしても、はみ出す。はみ出さないように意識すると、書き順には意識がいかない。我が子がそうでした。
そこで、「水を入れた専用ペンでなぞり書きが繰り返し練習できるもの」を使ってみました。これが、かなりヒット!書き順だけに集中できるんです。
水で書くので、乾いたら繰り返し何度でも練習できます。まだ、消しゴムで消す必要もないので、なぞることだけに集中できる!
なぞり書きしながら、書き順を覚えるまで、「よ~こ、た~て…」と声に出しながら練習しましょう。
何度でもできる! れんしゅうシート ひらがな・カタカナその③ 書き順を声に出しながら書いてみる
書き順を覚えたら、実際に書いてみます。このとき、書くものはひらがなドリルを活用してもいいし、小学生が使う国語のノート(1マスができるだけ大きいもの)でもOKです。
ノートを使うときには、お手本を親が書いてあげるといいですよ。子どもは、それを見ながら、書くことができます。
ポイントは、書き順を声に出しながら書くこと。このとき「1.2.3」と唱えるよりも、「よ~こ、た~て」と言葉で唱える方が◎!
声に出すことで、書き順をしっかり身につけることができます。正しく書けたら、子どもと一緒に喜びましょう!花丸でもシールでもあると、子どもはやる気を出します。
その④ 4つの部屋を意識させる
「4つの部屋って何?」って思った人もいるかもしれません。ひらがなの練習のマスをよくみると、十字に点線が入っています。つまり、一文字を書く1マスが4つに分かれているんです。それが「4つの部屋」です。
小学校1年生で「ひらがな」を学習するとき、この4つの部屋を意識して正しい形を覚えるはず。少なくとも、わたしはそうやって教えていました。
どの部屋からスタートするのか、どの部屋を通るか、どの部屋に点がつくのかなど、「4つの部屋」を意識することで正しい文字の形が身につくのです。
「書き順だけで精一杯!」という場合は、これは小学校に入ってからしっかり学ぶことなので、とばしても大丈夫。
もし、子どもが「書き順ばっちり覚えた!もっときれいに書けるようになりたい」と望んでいるなら、ぜひ4つの部屋を教えてあげてください。
その⑤ 4つの部屋の確認しながら書いてみる
その④とセットです。実際に4つの部屋を意識して書いて覚えます。はじめは、うまく書けなくて当たり前!
これ、大人も一緒にやるといいですよ。わたしも、1年生の担任をするまでは、ひらがなの正しい形を意識したことがありませんでした。『「か」ってこう書くの?』と衝撃を受けたことを覚えています。
大人も一緒に練習すると、ペン習字など習わなくても正しいひらがなが身につきます。
【ポイント】子どもが嫌にならない学習ポイント
学習するのは「子ども」です。子どもが嫌にならない工夫をしてあげるのが「親」。そこで、楽しく学習習慣がつくポイントをまとめてみました。
①量より質を。
大量に練習させることは、子どもによっては「いや」なものになる。いやになると雑になります。一字を丁寧に書く習慣をつけた方が◎!
②手紙や日記を書いてみる。
書きたいことを書くことでモチベーションがあがります。「何のためにひらがなを学習するのか」ただ、ドリルをひたすら進めているだけでは実感することはできません。
自分の伝えたいことをひらがなで伝えられる体験をすると、「ひらがなを覚えたい!もっと書けるようになりたい!」と思うようになります。
③読み聞かせをしてもらう。
子どもに本を読んでもらいましょう。今までは大人に読んでもらっていたのに、今度は自分が誰かに読んであげることができる。子どもにとってはうれしい経験になります。読むことは書く力にもつながります。
④特別なものに書く。
ホワイトボードでもいいし、お気に入りのノートでもいいと思います。ひらがなを書くものを特別なものにしてみるのもおすすめ。
ひらがなを正しく書く練習とは別に、書けるようになったものを自由に書く時間も大切にしてあげてください。「正しく書く」ことも大切ですが、「楽しく書く」ことも大切です。
⑤正しく学習する時間は短時間集中。
何か教材を使うのであれば一日1ページ、または一日3文字ずつなど、短い時間集中して取り組む方が身につきます。目安としては15分くらいでしょうか。
「もっとやりたい」という場合はやっても構いませんが、はじめに頑張りすぎてしまうと、あとあと飽きてしまうこともあります。そういう場合は「つづきは明日ね」といったん区切り、ひらがなを使った別の遊びに切り替えるのもいいと思います。
⑥生活の中で「ひらがな」を意識させる。
ひらがなを学習し始めると、子どもの方から読める文字を探し始めます。身の回りのひらがなを一緒に探したり、カルタで遊んだり、生活の中でひらがなに触れる、意識が向く工夫をしてみましょう。
「すべてやらなくちゃだめ!」というわけではありません。できそうなものから取り入れてみてくださいね。
【まとめ】一人一人のペースに合わせよう。親はあくまでサポート役に徹すること!
「ひらがなが書けないと入学後に困るのでは」と心配している方もいるかもしれません。実際、まったく書けない状態で入学してくる子もいます。
初めは少し戸惑うかもしれませんが、だいたいの子が1年生のうちには書けるようになります。つまり、そんなに焦らなくても大丈夫!ということです。
「幼児の間に、はやくひらがなを覚えさせたい!」というのは親の願い。子どもはどうでしょうか。もし、子どもが「ひらがなを書いてみたい!」と思っていたら、それを全力でサポートするのは、親の役割だと思います。
でも、「子どもがまったくひらがなに興味がない」「えんぴつを持つのもまだまだ」というときに「ひらがな」を練習させるのは、本当に「子どものため」でしょうか。
「周りの子どもがやり始めたからやらなくちゃ」と、他の子どもと比べる必要はないと思います。
「うちの子は何をやるにも時間がかかる。だから、小学校入る前にひらがなだけは覚えさせてあげたい」という方もいるかもしれません。
それならば、まず「文字」に興味をもつ工夫をしてみてはどうでしょう。たくさん読み聞かせをしたり、何気なくひらがな一覧表をお風呂に貼ってみたりするのもいいですね。そのうち、「ひらがな」に興味を持ち始めたら、そこで「書く」練習をしていく。
少しずつ、子どものペースを見ながら、進めていきましょう。簡単にできる「しりとり遊び」もおすすめです。その後の書く力につながります。
「大切なのは、子どものペースでサポートすること!」
がんばるのは、親ではなく子どもです。がんばっている子どもを応援するのが親。親が必死になって子どもに与えるのではなく、子どもが必要なときにサポートすることが大切なのではないかと思います。
「ひらがなって楽しい!」「書くことって楽しい!」「学ぶことって楽しい!」
その「楽しい」気持ちは、すべての学習につながっていきます。親子で楽しく「ひらがな」を学習したいですね。うちは、年長になった「最近」からひらがな練習をスタートしています。
「ひらがなに興味をもち、書きたい!」と思っている子がいたら、サポートするのは「今」ですよ!ぜひ参考にしてみてくださいね。
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