幼稚園や保育園のころは、持ち物すべてに記名していましたよね。
わたしも、保育園1年生のときは
うわぁ、こんなものにまで記名するのか~
と驚いた覚えがあります。
「小学校に入ったら、記名は少なくなるのでは?」と思っている方もいるかもしれません。しかし! 小学生になっても、持ち物には記名が必要です。
「小学生になれば、自分のものは自分でわかるから、必要最低限でいいのでは?」という方もいるはず。そこで、今日は「なぜ、記名が必要なのか」「どんなものに必ず記名した方がいいのか」を教員時代の経験をふまえて、具体的にお伝えしたいと思います。
「記名、必要ないと思っていた!」という方、「持ち物は子どもにまかせっきり」という方、これから小学校に入学予定のお子さんがいる方など、参考にしてもらえたらうれしいです。
小学校に入っても記名が必要なわけ。
記名って何のためにするのでしょう。
幼児の間は、
①自分のものかどうか自分で判断できない
②ものの管理がまだきちんとできない
③先生が困らないように
など、いろいろ理由は考えられます。
では、小学校に入ったら、上の①~③は必要なくなるのでしょうか!?
いやいや、必要ですよ。そもそも、年長さんと小学校1年生は、たった一年しか変わりません。年長のときにものの管理ができなかった子が、1年生になって、急にものの管理ができるようになるとは考えにくいですよね。
つまり、園生活と学校生活は、「記名」という面ではそれほど大きく変わらないということです。
小学校でも、みんなが同じようなものを使っている場合、記名がないと誰のものか分からなくなります。ものの管理が苦手な子は、落とし物が多くなります。
記名があれば、持ち主に戻りますが、記名がない場合はそのまま「落とし物」として保管され続けることになるでしょう。担任の先生は、「落とし物」の落とし主を探したり、長期間保管したりすることになります。
つまり、小学生になっても、できる限り「記名」は必要だということです。ただ、保育園・幼稚園時代と違ってくるのは、ひらがなが書けるようになるので、子どもが自分で記名できるようになる点です。親がすべてに記名しなくてはならない園生活と比べると、少し楽になるかもしれませんね。
【記名が必要なタイプ】整理整頓が苦手な子には、すべての持ち物に記名を!
子どもには、どの子にも得意なことと苦手なことがあります。整理整頓が苦手な子に「整理整頓しなさい」といってすぐにできるようにはなりません。
もし、自分のお子さんが「整理整頓が苦手なタイプだな」と感じているなら、小学校でもすべての持ち物に記名をすることをおすすめします。
えんぴつやティッシュ、消しゴム、細かいものにも記名してあれば、落としても本人のところに戻ってくることが多いです。これが、記名されていないと、どんどんものがなくなっていくことになります。親としても「誰かにとられているのではないか」と不安になりませんか。
そうならないためにも、しっかり見えるところに記名をしておくことが大切です。学校内で落とした場合には、記名さえしてあれば本人のもとに戻る可能性は高くなります。
ただ、ものの管理が苦手な子は、学校外で、ものを落とすことも考えられます。学校の外で落としてしまった場合には、記名していても手元に戻るとは限らないことを覚悟しておきましょう。
以前、ランドセルを開けたまま走って下校した子が、下校途中に道に落とし物をしたことがありました。さいわい、学校の近くで拾って学校に届けてくださった方がいたので、持ち主に戻りましたが、これはまれなケースです。
学校から少し離れていたら、どの学校の子のものかも分からないし、わざわざ届けてくださる親切な方がいるかどうかも分かりません。
落としてなくしてしまったものを新たに購入するのも、大変ですよね。「ものを大切にする」ことを子どもに教えるためにも、「すべてのものに記名」をおすすめします。
もちろん、記名と並行して「整理整頓の仕方」を身につけていくことも大切ですね。
【必ず記名したいもの】みんなが持っているものには、必ず記名を!
親が「名前を書く」といっても、「自分のものは自分でわかるから、名前を書かなくても大丈夫」と断られることがあるかもしれません。
でも、子どもが何といっても、「みんなが持っているもの」には、必ず「記名」しましょう。たとえば、リコーダー、みんなが同じものを持っています。記名していないのに、どうやって自分のものだと分かるのでしょう。
また、まったく同じでなくても、筆記用具(えんぴつ、消しゴム、定規など)は、似たようなものを使っている子が多いです。
以前、記名していないえんぴつがたくさんあったので、持ち主探しをしたことがありました。かわいらしいえんぴつが一本あったのですが、「自分のもの!」という子が数人現れました。名前が書いていないので、本当の持ち主は特定できませんでした。
そういったことを防ぐためにも、記名は大切です。そして、「周りの子に自慢したくなってしまうもの」や、「気になって学習に集中できなくなってしまうもの」は、学校には持たせない方がいいと思っています。
持ち物が原因で、授業中の集中力が低下してしまうことは、実際にあります。また、持ち物がトラブルにつながることもあります。「学習に必要ないものは持たせない」という親の姿勢も大切なのではないでしょうか。
今まで、落とし物として多かったものをあげてみると…。
◎ えんぴつ・消しゴム・定規などの筆記用具
◎ 算数で使うコンパスや三角定規など
◎ 水泳の帽子やゴーグル
◎ 使い捨てマスクやカイロ
◎ ビニール袋
◎ 体操服や赤白帽子(カラー帽子)
◎ 冬になると、上着や手袋
これを見ると分かると思いますが、だいたい「みんなが持っているもの」のため、特定がむずかしいことが多いです。
余談ですが、教員時代、洋服の落とし物があると、子どもたちは「おもしろい捜査」をしていました。洗剤のにおいで持ち主を探すんです。そして、高い確率であたります。体操着や洋服は、教室内で落としたら見つかる可能性が高いですよ。どこの学校でも見られた「子どもあるある」、子どもっておもしろいですね~。
【記名を嫌がる年ごろになったら】記名の必要性をしっかり話し合った上で、子どもに判断を!
低学年のうちは、親が記名することを嫌がらなかったのに、記名を嫌がるようになる年ごろがきます。
記名を嫌がるようになった場合、記名の必要性をもう一度、子どもと話し合う時間をとることが大切です。その上で、子どもに判断させた方がいいでしょう。また、記名しないで、ものがなくなった場合についても、事前にしっかり話し合っておくことが重要です。
考えられる選択肢は2つ。
・目立たないところに記名をする。
・記名しないで、持っていく。
「記名しないで、持っていく」を選択した場合、なくなった場合はどうするのかも、事前に決めておいた方がいいですね。
なくなったことは自己責任だと伝えておくことで、記名しない分、自分でしっかり管理するようになるかもしれません。また、なくなったときには、「自分のおこづかいで買う」などと話し合っておけば、「記名」の大切さをもう一度考え直すことでしょう。
また、中学年以上になると、学校に関係ないものを持っていきたくなる子も増えてきます。その場合、
・学校に必要ないものだから、持っていかない。
という選択も大切です。持ち物トラブルは、友だち関係に大きく影響します。ものがなくなることは、本当に悲しいこと。ものがなくならないような工夫や努力をすることで、持ち物トラブルを防ぐことができます。
学校に関係ないものをランドセルにいれていたら「今がチャンス」と思って、ぜひ親子で話し合ってみてくださいね。
おそらく、3年生以上になったら、持ち物は子どもが自分で準備するようになるでしょう。でも、100%子どもにお任せではなく、ぜひ「持ち物」について話したり、確認したりする時間をつくってください。それが、「持ち物トラブル防止」につながりますよ。
【まとめ】低学年までは親が記名チェックを!中学年以上は成長に合わせて、子どもとよく話し合おう!
小学校での「記名」の大切さ、保育園・幼稚園と変わらない理由もあれば、また違った理由が加わることをお伝えしてきました。
ずばり、小学校での「記名」は大切です。
特に、学校生活に慣れるまでの低学年の間は、親が記名チェックをした方が安心です。
また、自我が芽生える中学年以上は、「記名を嫌がるのも成長の証」と子どもの気持ちを尊重するのも大切です。記名した場合としていない場合のメリット・デメリットをしっかりと話し合った上で、子どもに選択させるといいでしょう。
結果、万が一ものがなくなって困ったことが起きても、誰かのせいにするのではなく、もう一度「持ち物」や「記名」の必要性について考え直せばいい! 失敗から学べばいいんです。
100均などで、いろいろなものが安く手軽に購入できる時代になりました。その分、「ものを大切にする」姿勢を育てるのが、むずかしくなっているのも感じます。
親が「ものを大切にする」姿を見て、子どもは育ちます。次々に新しいものを買いかえるのではなく、あるものを最後まで大切に使うこと、あるもので工夫してみること、わたしも、できることをやっていこうと思っています。
100均大好きだけど、あるもので創意工夫チャレンジしてみよっと!
参考にしていただけたら、うれしいです。
雨の季節。小学生の雨の日アイテムについてはこちらをご覧ください。
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