入学や進級に備えて、文房具をそろえる時期になりました。
今は何でも100均で購入できる便利な時代。ないものはないのではないかというほどの品ぞろえです。
ただ、学校で使う文房具を購入するときには、ちょっとこれを読んでほしい!
100均でも優秀なものはたくさんあります!
でも、学用品の中には、これはちょっと…というものも!
そこで、今日は、小学校教員経験から「これは100均では買わないで~!」というものをお伝えしたいと思います。今回お伝えするものを絶対に買ってはいけないというわけではありません。また、家庭使用であれば問題ないものも多く、あくまでも「学校で使用するもの」という視点で参考にしていただけたらと思います。
100均NGな文房具① クレパス
我が家でも、娘が小さいときからお世話になっている100均のクレパス。特に、オイルクレパスは、手が汚れることもないので、家庭で使うには使いやすい商品です。
ただ、学校で使うとなると、違ってきます。小学校の図画工作の時間などに、使うことが多いクレパス(クレヨン)。小学校では、「画用紙の白いところがないようにぬりましょう」という場合があります。
以前、1年生のクラスで、100均のクレパスを使っている子がいたんですが、一生懸命ぬっても、発色がうすく、かなりゴシゴシぬらないと色がつかずに苦戦していました。
100均のクレパスは、折れにくく、手につきにくいというメリットがありますが、折れにくいからこそ、力を入れないと色がはっきりとつかないという面も。ただ、お絵描きをしている分には、何も問題なく使えたクレパスですが、小学校の授業で使うとなると違ってきます。
100均NGの文房具② 色えんぴつ
クレパス同様、家庭使いではまったく問題のない色えんぴつ。うちでも、100均の色えんぴつを使ったことがありますが、子どもが使っている様子を見ていると、芯のかたさに違いがあるようです。
大人が使えば、どんな色えんぴつでもきれいに色をぬることができますが、子どもだとそうはいきません。特に、幼児から小学校低学年くらいまでの子どもたちは、まだ力加減がうまくいかず、思いっきり力を入れてしまう子や、逆に力が入らない子もいます。
力が入りすぎてしまう子は、ボキボキと芯が折れ…
力が入らない子は、なかなか色がぬれない…
でも、それが子どもの発達のためには大事な過程。そのためにも、使いやすいものを選ぶことが大切です。色えんぴつもそのひとつ。すぐに折れてしまうものや発色しにくいものを使っていると、そのうち「楽しくない」につながることも…。
たかが「色えんぴつ」ですが、子どもの成長には大切なツールです。
100均NGの文房具③ あぶら粘土
あぶら粘土を使うのも、そんなに回数はないのですが、低学年のうちはよく使います。幼稚園や保育園で使っているものがあれば、そのまま使えます。わざわざ買うよりも、使い慣れたものをそのまま使った方が◎!もし、量が減っているようであれば、買い足しておくのもいいと思います。
100均の油粘土は、手にくっつきやすいように感じます。今までも、教室で使っている子を見てきましたが、やはり100均ではないものの方が使いやすいように感じました。手につきにくく、造形遊びをしやすいかどうか、が大切です。
1回だけの使い捨てではなく、繰り返し使うもの(低学年のうちは)なので、これから購入される場合には、100均でないものを購入することをおすすめします。
100均NGの文房具④ 3本セットの液体のり
学校で使う「のり」といっても、いろいろあると思います。昔は、小学校1年生といえば「つぼのり」でしたが、最近では「液体のり」を使う学校も増えてきました。
「液体のり」といっても、たくさん種類がありますね。100均では3本セットで売っているものも。1本100円と3本100円、どちらがお得か?(算数の問題のようですが…)
もちろん、3本セット~!
といいたいところですが、学用品として購入するなら、アラビックのりがおすすめです。これ、100均でも売っています。1本100円の方です。
くっつき方がまったく違います。「3本セットはお得!」なことは確かですが、くっつきが悪いとお得感下がりますよね。さらに、使うのが子どもとなれば、しっかりくっつくものを使った方がいい!
細かいことかもしれませんが、のりもよく使うものなので、ぜひ使いやすいものを準備してあげてください。
100均NGの文房具⑤ 分度器
算数で使う「分度器」。100均でも売っています。でも、正直にいうと、おすすめできません。角度が少しずれている場合があります。おおよその角度を調べるには、家用で買っておいてもいいかもしれませんが、学用品として購入するなら、100均のものはおすすめできません。
以前、教えていた子で100均の分度器を使って問題を解き、ことごとくずれていた子がいました。測り方に問題があるのかと思ったら、実は分度器に問題があったことが…。これでは、いくら正しい測り方をしても、ずれてしまうのは仕方がありません。原因が分からないまま、このような状況が続けば、苦手意識にもつながってしまいます。
100均NGの文房具⑥ コンパス
分度器と同じく、コンパスもしっかりしたものを準備することをおすすめします。
学校から「コンパスを使います」と連絡が来て、あわてて100均で購入する方もいるかもしれません。でも、100均のコンパスは円を描いている最中にずれやすいです。また、はじめは問題なく使えていても、だんだんとゆるくなったり、ずれたりと、耐久性がよくないように感じます。
コンパスなんて、小学校の算数の一時だけ…なのは事実ですが、しっかりしたものを使わないと、学習に支障がでてしまうものでもあります。
特に、はじめてコンパスを使う子どもたちにとって、円を描くことは思いの外むずかしい作業です。むずかしい作業がさらに大変な作業に、いやな活動にならないように、使いやすいコンパスを準備してあげてくださいね。
おすすめは、えんぴつをさしこむ形のもの。シャーペン型のものもありますが、力を入れると芯が折れるので、えんぴつ型の方が使いやすいです。こんな形のコンパスがおすすめ↓あくまで、参考に。
【まとめ】100均でも優秀なものはたくさんある!でも、学用品には気をつけよう。
100均でそろえられる準備品もたくさんあります。わざわざ、あちこち、はしごする必要もなく、一か所でいろいろなものをそろえることができる100均。我が家の生活にもなくてはならない存在です。
ただ、子どもが使う文房具、学用品となると、元教員という立場からはおすすめできないものがあるのも事実です。でも、おすすめできないからといって「使い物にならない」わけではないのではありません。中には、「どうしても100均がいい!」「100均以外に購入する場所がない」といった方もいらっしゃるかもしれません。それぞれのご家庭の事情もあるかと思うので、あくまで参考にしていただけたらと思います。
「何を買っていいのか分からない」「100均で全部そろえていいのかな」という方で、100均以外の選択肢もありの方は、ぜひ参考にしていただきたいと思います。実際に、学校現場で子どもたちの様子を見てきた経験上、「子どもが困らないように、できるサポートを」という視点でお伝えしてきました。
子どもの学用品、思っていた以上にお金がかかるもの。でも、「これだけは!」というものをピックアップしたので、学用品購入のときに、ちょっと思い出していただけたらうれしいです。
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