保育園1年目は、毎朝、泣きわめいていた娘。「保育園に行きたくな~い」といって泣いていました。でも、その理由ははっきりしています。
「ママと離れたくない」
それが一番だったと思います。保育園がいやなのではなく、「母親と離れるのがいや、不安」だという気持ちが涙になっていたんですね。
そりゃそうだよね。その気持ちよくわかる!だって、わたしも幼稚園のとき、毎朝泣いていたから~
でも、そのうち園での生活に慣れて楽しい経験をしていくと、「行きたくない」涙は流れなくなっていきます。
中には、ママと離れるときにはどうしても涙が流れてしまう子もいるかもしれませんが、ママの姿がみえなくなると、あっさり泣き止んで遊び始める子も多くいるらしいですよ。(保育園の先生談)
それが少し成長していくと、しょんぼりしながら「保育園いやだな~」とつぶやくことがあったりします。親としたら「何かあったのか!?」とドキっとしますよね。
そんなときの対応の仕方を、今日は紹介します。元小学校の教員としての経験とコーチングのスキルをもとに、「考えられる原因」と「その対応の仕方」を具体的にお伝えしたいと思います。今日、紹介する方法がすべてではありません。「こんな原因があるかもしれない」というヒントにしてもらえたら、うれしいです。よかったら参考にしてみてくださいね。
原因① 親と離れるのが不安になっている
親が忙しすぎたり、自分のことを見てくれていないと感じたりするとき、不安に感じる子は多くいます。親と離れたくない気持ちから「行きたくない」という言葉を発することがあります。
これが原因だと気づいたら、できるだけスキンシップをとったり、話を聴いたりする時間をとるといいですね。また、そのときに「親と離れたくない」という気持ちを受け止めて、共感してあげると、子どもは安心します。
また、親が病気になったとか、家の中で何か問題が起きているという場合にも、子どもはその異変を敏感に察知します。自分がいないときに何か起こるのではないかという不安から、「ずっと一緒にいたい」ということもあります。
子どもにはかくしていても、「何か変だな」ということは幼児でも感じ取ります。何かあったときには、子どもが分かるように、分かりやすい言葉で状況を説明してあげるのもひとつ。それが、安心につながることもあります。
また、問題の状況を説明したときには、必ず「安心して大丈夫」だというメッセージも忘れずに伝えましょう。これを忘れると、逆にもっと不安になってしまうので。
原因② 保育園でトラブルがあった
「行きたくない」と言われたら、まずは「どうしたの?」とその原因を探ります。
その原因が「保育園でのトラブル」だと分かった場合、まずは子どもの言い分をよくよく聴くようにします。「いやだった」「かなしかった」などのマイナスの感情を訴えることができれば、それを受け止め、共感してあげましょう。
はじめから「そんなことはないんじゃない?」など、子どもの感情を否定してしまうと、子どもは心を閉ざしてしまうことがあります。
マイナスの感情を表に出すことができたら、わたしは「なんでそうなったのか」を一緒に考えるようにしています。
たとえば、「友だちからいやなことを言われた」と子どもが訴えている場合、そのときの状況、言われる前にしたことや言ったこと、まわりの友だちの反応などをもとに、「なんで、その友だちはいやなことを言ったんだろう」を一緒に考えていきます。
客観的に振り返っていくことで、子どもは冷静に「あ、自分がおもちゃをとっちゃったからだ」と気づいたり、「まわりの子が助けてくれた」ことを思い出したりしていきます。
子ども自身が「自分もわるかったな」と気づけば、「明日、ごめんねを言いたい」と自分から言い出すことも多いです。また、まわりの友だちに助けられたことを思い出せば、「次に誰かが困っていたら、自分も助けたい」という気持ちが生まれます。
まだ、園児なので、ほぼ、こういった声かけや振り返りで、子どもの気持ちはすっきりできますが、小学生以降になるとこう簡単にはいかないことも増えていくと思います。家での声かけや振り返りでも、まだモヤモヤしている様子が見られたら、担任の先生に相談するのが◎!早期対応がトラブル解決には大事です。
友だちとのトラブルでは、自分に都合がわるいことは親には言わない子が多いことも忘れずに。子どもの主張は、あくまで子ども側から見えているもの。相手側からの主張とは違うこともあります。親は、中立な立場で冷静に対応することも大切ですね。
原因③ 保育園で「不安」なことがある
うちの娘はこれが原因のことが多いです。「保育園行きたくないなぁ」という日は、新しいことがある日だったり、苦手な体操の日だったり。
そんなときは、
行きたくないこともあるよね。ママも今日はお仕事いやだなぁって思うことあるよ~。
と「行きたくない」気持ちを受け止めます。だって、大人でも「行きたくない」と思う日ありますよね。でも、大人なら「仕事だから」「大事な会議があるから」とか自分を納得させて「行く」という選択をします。
そこで、子どもだったら…と考えてみると、対応策が見えてきます。
新しいことがある日には、「連絡帳に書いてあげるね」という対応をしています。これで、娘は「先生も自分の不安をわかってくれている」と安心できるようです。
また、体操など苦手なものがある日には、「苦手な○○をがんばってくる日だから、夜はハンバーグにしようか」など、別の楽しみを作るように声をかけます。「今日のテレビは○○だよ」「今日のおやつは○○だって!」など、なんでもいいと思います。
子どもの気持ちがポジティブになるものに意識を向けることで、「じゃ~、がんばってみよう」という気持ちになれるようです。
苦手な「なわとび」については、こちらを。
原因④ 原因が分からない
子ども自身は「これがいやだ」と訴えることができない場合もあるかもしれません。原因がはっきりしない場合は、まずは保育園の先生に状況を説明して相談しましょう。
と同時に、もしかしたら、家庭の中に原因があるかもしれません。できるだけ、子どもと一緒に過ごす時間を増やし、子どもの心を満たしてあげるよう意識することも大事です。
「これ」という原因がない場合もあります。逆に、大きな問題を一人で抱えていることもあるかもしれません。まわりの大人がアンテナをはって、原因を見つけてあげることも大切です。
「行きたくない」が続く場合、原因が分からない状況が長く続く場合には、カウンセリングを受けるなど、第三者に相談する方法もあります。
【まとめ】行きたくない気持ちをまずは受け止めよう!
「行きたくない」理由は、子どもによって違うもの。子どもが突然「行きたくない」と言ったら、どうしますか。どうしても「行かせたい」という親の気持ちが全面に出てしまいがちですよね。よく分かります。
でも、そこはぐっと我慢。まずは、「行きたくない」という気持ちを受け止め、共感してあげてください。
その受け止め、共感をせずに、「行かせたい」親の気持ちを押し付けてしまうと、あとあと問題が残ってしまうこともあります。
早期共感、早期対応が大事!
はじめは、ちょっと手間に感じるかもしれません。でも、これを繰り返していくと、だんだん子ども自身が自分で解決するようになっていきます。
娘も、最近では
「あぁ、今日はなわとびだから、行きたくないなぁ。でも、がんばってやってみる!」と前向きな言葉を自分で言ったり、「今日は、心配なことがあるから、先生にお手紙書いて」と娘から言ってきたり。
「友だちとけんかしちゃったけど、ごめんねが言えたよ」と報告があることも増えました。
娘なりに考えている姿が見られるようになってきたんです。こうやって、娘自身が「行きたくない」気持ちを受け入れ、「じゃ、どうすればいいのか」を考えることが、「成長」なのだと感じています。
「いいことばかりではない」でも「いいこともある」。
そういった前向きな思考は、これから先生きていく上でも大事にしたいところです。
突然「行きたくない」と言い出したら、ちょっとドキッとするかもしれませんが、大丈夫!「行きたくない」気持ちと向き合うことは、子どもの成長につながります。子どもと一緒に「成長」につなげていきましょう!
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