子どもといっても、一人ひとり特性が違いますね。おだやかでゆっくりな子もいれば、てきぱきと行動する子もいます。我が子は、どちらかというとマイペース。
それが、最近になって「やりたいこととできないこと」のはざまで葛藤することが多くなってきました。成長の過程だとはいえ、できないことをやろうとしてはイライラしている姿。なるべくなら見たくないのが、親心。
子どもの自主性を尊重したい。葛藤することも大切なこと。
でも、イライラ&プンプンはできれば短くしてほしい。
そんなとき、ふとテレビで観たのが「やさしくなれる部屋?」だったかな。テントなのですが、その中に入ると興奮した気持ちが静まり、やさしい気持ちになれるというもの。これを考えたお母さん、本当にすごい! そして、子どもたちも、テントに入ると「やさしくなれる」と言っていました。子どもたちもすごい!
そういえば、教員時代、学校でもクールダウンの場所を作ったことがありました。この「やさしくなれるテント」は、まさしくクールダウンの場所だ~!と納得。
そこで、今日は「クールダウンってどんなもの?」「クールダウンの場所や方法」「実際に我が子のクールダウン方法」をお伝えしたいと思います。
お子さんの感情表現で悩んでいる方、イライラ期のお子さんがいる方、兄弟ケンカがおさまらずに困ってる方などのお役にたてればと思っています。
「クールダウン」って知っていますか?
クールダウンとは、激しい運動の後に、心身の機能などの興奮状態を鎮めることや、そのための軽い運動。
Wikipediaより
もともとはスポーツの分野で使われていた言葉だということが分かります。しかし、最近、クールダウンという言葉は、スポーツに限らずに使われることが多くなりました。
たとえば、日常生活やビジネスの場面などでも、感情的になって興奮状態になっている場合に「ちょっとクールダウンしよう」と言うことがあります。また、「クールダウン」は、教育現場でもよくつかわれる言葉です。興奮状態の子どもや感情が抑えられない状態の子どもに「クールダウン」を促すことがあります。
つまり、スポーツ以外の場面では、「冷静になること」や「怒りや悲しみなどの感情を静めること」という意味で使われています。
では、実際に、どんな方法でクールダウンができるのでしょうか。まずは、場所から見ていきましょう。
「クールダウン」の場所はどこがいいの?
一人ひとり落ち着く場所って違いますよね。それと同じで、クールダウンの場所もみんな一緒ではありません。さきほど紹介したお母さんは「テント」で、クールダウンの場所を作っていました。
わたしも、実際に学校現場でクールダウンの場所を作っていたことがあります。だいたいが「狭い場所」でした。子どもによって落ち着く場所が違うので、ダンボールのような狭い場所がいいという子もいれば、誰もいない廊下の角、または誰もいない図書室という子もいました。
共通していえるのは、ひとりになれる場所や空間。
できるだけ、周りに刺激になるものがないことも大切です。静かに一人になれる場所。
目にみえるものが刺激になる子は、テントやダンボール、カーテンの裏などがいいかもしれません。音に敏感な子には、ヘッドフォンも効果的です。その子がどんな場所だと落ち着くことができるのかを、日頃から観察しておくといいと思います。
「クールダウン」の方法ってあるの?
「クールダウン」の方法は、とにかく、気持ちが落ち着くまで、決まった場所にとどまること。
自分で気持ちが落ち着いたなと思ったら、そこから出てきます。そのあと、言葉で説明できれば、そのときの気持ちを言葉で表現できるといいですね。言葉でうまく表現できない場合は、その思いを親が代弁してあげてもいいと思います。
繰り返していくうちに、自分で気持ちが高ぶってきたときには決まった場所に入る習慣ができていくはず。すると、少しずつ気持ちのコントロールができるようになっていきます。
ただし、このクールダウンの場所や方法は、クールダウンが必要なときだけにしておくといいでしょう。「クールダウンのための場所」という特別な場所だからこそ、子どもには効果がある場合もあります。はじめに紹介した「やさしくなれるテント」のお母さんも、「普段の遊びでは入れない」という約束をしていました。普段から遊んでいる場所ではない特別感が、幼児期の子どもには効果があったのかもしれません。
ただ、普段から使う場所であっても大丈夫。大事なのは、一人になって気持ちを静めること。それができる場所や方法なら、目的は果たせます。その子に合った場所や方法を一緒に探してあげることが大切です。
我が子のクールダウン方法を探ってみました!
さて、我が家の場合はどうだったのかを紹介したいと思います。
思うようにならないと、口をとがらして全身でプンプン怒り出す5歳児。そこで、
今はお話できないみたいだから、落ち着いたら話そう。落ち着く場所があるかな。
と声をかけました。すると、はじめは一人で怒りアピールしていましたが、わたしが相手をしないと分かったのか、リビングから姿を消しました。外に飛び出すような子ではないものの、どこに行ったのか気になります。
でも、ここでわたしが探しにいってしまっては、娘が一人でクールダウンする時間をうばってしまうと、我慢…。
ものの3分くらいで、静かに戻ってきた娘。そのあと、落ち着いた様子で話ができました。そして、話の最後に、どこに行っていたのかを聞くと「階段」とのこと。
「階段に座ってクールダウンした」ことが分かりました。
今のところ、特別な場所を作らなくても、クールダウンができそうです。でも、兄弟姉妹がいると、こんな簡単にはいかないかもしれませんね。うちの場合は、一人っ子なので、親から離れれば必然的に一人になることができる環境。とりあえずは「階段」で様子を見ようと思います。
【まとめ】クールダウンは大人にも使える!自分に合った方法を見つけよう
実は、これ、意識していなかっただけでわたしも実践していました。イライラしているなぁと思ったら、ベランダで外の空気を吸うと落ち着きます。親になった今、わたしのクールダウン方法はこれです。
そして、思い出したのが思春期のころ。親とけんかして部屋に閉じこもったことが何度かありました。一人になって落ち着いたら部屋から出て、何もなかったかのように会話したり、ご飯食べたり。
これも、クールダウンですよね。当時、親も何もなかったかのように接してくれていたのが、今思うとありがたかったなぁと思います。思春期には、思春期の接し方があるんですね。幼児期とは違った距離感が必要だということを、親が意識していたのでしょう。
さて、幼児の子どもたちは、大人よりもはるかに感情のコントロールが未発達です。うまく感情を言葉にできなかったり、思うようにいかなかったりすることもたくさんあります。
そんなときには、まず「クールダウン」。そして自分の気持ちが落ち着いたら、伝え方を考えてみる。それを繰り返していくうちに、感情表現の仕方やコントロールの仕方を身につけていくのだと思います。
お子さんの感情の起伏が激しいことを悩んでいるお母さんも多いようですが、感情の起伏が激しいということは、感受性が豊かで、感情を表現しようとしている証です。怒ったり泣いたりするだけでなく、うれしいときにも全身で喜びを表現していませんか。それって、すばらしいことです。
思い通りにならずにイライラしてしまう子は、向上心がある子。がんばり屋だということです。できないことに挑戦するから、できない結果に悲しくなるんです。「できないからはじめからやらない」という選択肢もあるのに、それを選ばない。がんばろうとしている姿を認めてあげたいですね。
子どもの気持ちを受け止めるためにも、「クールダウン」は効果的な方法です。クールダウンとあえて意識しなくても、実は自然と行っている方も多いのではないでしょうか。
子どもも親も、感情的になったときは「クールダウン」。自分に合った、子どもに合ったクールダウン方法が見つかるといいですね。
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