子どもの成長ってあっという間ですね。
5歳児になると、言葉もたくさん覚え、できることも増えてきます。でも、まだ5歳児。自分の思うようにできないもどかしさ、「できるもん」というプライド、いろいろな気持ちが芽生えてきているのが分かります。
我が子も、「さすが年長さん!」というようなたくましい姿もあれば、「やっぱりまだ5歳だね~」という姿も。そして、ちょっと面倒なのが、注意されるとへそをまげること。
え~!そんなことでおへそまげちゃうの~。
今、その反応!?
ということも、けっこうあります。
そこで、5歳児の気持ちになって想像してみました。「自分は年長さんだからできる」「やらなくちゃいけないことは、言われなくてもわかってる」「自分なりに考えてやっているつもり」「なのに、指摘されるからいや!」そんな感じでしょうか。
確かに、やろうとしているときに「まだやってないの!」とか言われるとやる気がなくなりますよね。親は注意しているつもりはなくても、子どもからしたら注意されているように感じることもあるようです。
ということで、我が家では手法を変えてみることにしました。それが「直接伝えない方法」です。
ものは試しではじめたのですが、これが意外にもうまく伝わるのでびっくり!
どの子にも効果的かどうかは分かりませんが、今日は我が家で効果のあった「直接伝えないまほうの言葉」をお伝えしたいと思います。
我が子と同じように「注意したいことがあるんだけど、うまく伝わらずに悩んでいる」という方の参考になれば、うれしいです。
まほうの言葉① 「あれ? 今のは気のせい!?」
お風呂から出たあと、お絵描きの続きがやりたくて仕方のない娘。洗濯物をそのままに、すぐにお絵描きを始めました。いつもなら、「洗濯物、そのままになってるよ~」と声をかけます。でも、自分の好きなことを始めると、なかなか切り替えができないのが5歳児。こちらもしつこく言いたくはない。そこで、
あれ? これは何だろう?
洗濯物を持ってみる。不思議そうな顔で、「ここにあるはずがないのに」という雰囲気を演じてみました。
まさか、ここにあるはずないよね。これって気のせい?
と続けると、娘はあわててこちらにかけ寄ってきました。そして、
「気のせいだよ。気のせいに決まってるじゃん~」と言いながら、洗濯物を洗濯機に入れ始めました。「気のせい」の使い方が正しいかどうかは別として…。
それ以来、この「気のせい」が気に入った娘。「気のせい」のおかげで、娘はすばやく行動するようになりました。注意をするより、よっぽど楽です。
まほうの言葉② 「今のは見なかったことにしよう」
遊んだあとの片付け問題。遊んだまま、次の遊びにうつり、最後に一度に片付けるのが大変になる。ってこと、ありませんか。
うちの子だけなのかな。我が家ではよくあります。調子のいいときは、ささっと片付けるのですが、眠くなってしまったり、遊び疲れてしまったりすると、不機嫌に。
自分で遊んだものなんだから、自分で片付けるのは当然でしょ!
内心はこれ。でも、その言葉をそのまま伝えると、不機嫌が悪化します。結果、親としても労力を使うことになるので、ここで使ってみたのがこの言葉。
お~、たくさん遊んだね。これから片付けようとしているんだよね。
今の状態は、まだ見なかったことにしておこう!
すると、娘も「あ、見なかったことにしておいて!」とあたふたと片付け始めます。
ちゃんと片付けができることを認めていると感じるのか、いやいや片付けるのではなく、率先して片づけます。見なかったことにしておく間に、急いで片付ける娘。そして、片付け終わると「見ていいよ~!」と笑顔でアピール。
子どもって、不思議なものですね。「見なかったことにする時間」、大事です。
まほうの言葉③ 「透明うさぎが来ているのかな」
これは、食事中のできごとから始まりました。なぜか、食事中にテーブルにひじをついてしまう我が子。はじめは、ひじを触って気づかせたり、「ひじがついてるよ」と声をかけたりしていたのですが、なかなか直りません。そのうち、しつこく言われるのが嫌そうな顔をし始めました。そこで、
あれ~?今、ひじが見えたんだけど、誰のひじ?
と冗談まじりに聞いてみたところ…。
娘は「あ、そうそう透明うさぎが住んでてね」と話を合わせてきました。それ以来、食事のときには「透明うさぎ」が大活躍。(はやく、透明うさぎが出てこなくなればいいのですが)
うちの場合、「透明うさぎ」ですが、誰でもいいと思います。
透明うさぎさんが、来ているよ。
というだけで、「あ、ほんとだ、ほんとだ」と娘はひじに気づくようになりました。さらに「透明うさぎさん、だめだよ~」とか言っています。親も子も、いやな気持ちにならずに、行動を改めることができるようになりました。
さらに、この「透明うさぎ」、自宅以外でも使うことができます。先日、実家で食事をしていたときのこと。自宅と違ういすに座っていることもあり、娘は、変な座り方をしていました。すると、やはり、ひじがテーブルに。そこで
あれ~? こんなところにも透明うさぎさんが来てるの?
というと、娘はあわてて姿勢を正しました。この言葉は、わたしと娘にしか分からないので、母は「なんのこと?」という顔。誰かに知られることなく、はっと気づくことができるのも、「まほうの言葉」だと言えますね。
なぜ、直接伝えない方がうまく伝わるのか。そのわけは…
「もう赤ちゃんではない」
「自分はもうすぐ小学生になるお姉さんだ」
という意識が強くなるのが、5歳児。だからこそ、失敗や間違いを直接指摘されることを嫌がるのだと思います。さらに、我が子の場合、直接指摘されると、素直に受け入れられない気持ちが生まれるようです。
それが間接的に伝えることで、子どもにとって「失敗を挽回するチャンス」を得られることになります。「忘れちゃってただけで、ちゃんとできる!」「自分はわかってる」ことを見せる機会になるんですね。だからこそ、自ら行動しなおすことができるのだと思います。
子どもに何かを伝えるときには、子どもの気持ちになって考えてみることは大事ですね。大人の対応の仕方ひとつで、子どもへの響き方が変わるのは事実です。
【まとめ】直接伝えずに、間接的に伝えるとうまくいくこともある!
「そんな方法は面倒。直接注意した方がいい!」という方もいるでしょう。または、直接伝えないと伝わらないという子もいると思います。
でも、我が子の場合、直接注意するとそのあとが面倒になるタイプ。
うちのように、「直接伝えてもうまく伝わらない」「さらにエネルギーを使うことになって疲れる」という場合には、間接的に伝える方法をぜひ試してみてください。
子どもも自ら動くようになるし、親も注意しているわけではないから気分もいいし、お互いにイライラしない。ストレスフリー! やってみて、なかなかいい方法だと思っています。
意外な方法、意外な言葉かけで、子どもが動くことがあります。大切なのは「子どもの立場で、子どもの気持ちを想像してみる」こと。それが、うまく伝わらないときのヒントになることは確かです。
その子にとっての「まほうの言葉」、ぜひ探してみてくださいね。
子どもとの接し方で悩んでいる方はこちらも参考にしてみてください。
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